インスタント珈琲といえば、レギュラー珈琲(挽いた珈琲豆を使って抽出する珈琲)より風味が落ちると一般的に考えられてきたと思いますが、最近では技術の進歩によって風味がレギュラー珈琲に負けないところまで来ています。風味が良くなったと感じるのは新しいフリーズドライ製法によって大幅に風味が改善された為のようです。
インスタントでは手間をかけずに常に同じ風味が出せてレギュラー珈琲を入れるときのようなテクニックが不要なので誰にでも同じ味が出せます。レギュラー珈琲では珈琲豆の保存方法と淹れ方によって品質が左右されるので、個人的にはインスタントの方が安定した品質のために、レギュラー珈琲より美味しい場合があるように感じます。
製法の種類
インスタント珈琲は濃縮した珈琲液を乾燥し粉末にしたものですが、粉末化する製法が重要でインスタント珈琲は粉末化する製法によって大きく風味が変わります。スプレードライとフリーズドライが主な製法になります。
- スプレードライ(噴霧乾燥)
濃縮した珈琲液を高圧で霧状に噴霧して熱風で水分を蒸発させます。粉末状になるため溶解しやすい状態になります。フリーズドライ製法よりも製造コストが安く広く普及している製法です。
- フリーズドライ(凍結乾燥)
濃縮した珈琲液を冷凍し乾燥させたもので、粗い粒子状になります。この方法は乾燥を低温状態で行うため香りがスプレードライより優れておりレギュラー珈琲に近くなります。スプレードライ製法よりも製造コストが高くなります。
フリーズドライのインスタント珈琲はインスタントでも少し高めの価格になりますが、おいしい珈琲を入れたい場合は必ずフリーズドライ製法のものを選ぶことをお勧めします。
カフェインの含有量
1杯分のお湯(150cc)につきインスタント珈琲の粉末を2g使うとすると、カフェインの量は約80mgになります。一方、レギュラー珈琲のカフェインの量は約90mgとなり、インスタントのほうが若干少なくなります。
「日本食品標準成分表2010」によると、インスタント珈琲のカフェイン含有量は100g中4gとなっていますので、インスタントのカフェイン量は次の計算で求まります。
100:4 = 2:x 8 = 100x x = 0.08
また、一杯分のレギュラー(浸出液)のカフェイン量は、100g で 0.06g となっていますので、次の計算で求まります。
100:0.06 = 150:x 9 = 100x x = 0.09
淹れ方
インスタント珈琲はたった次の2点に注意すれば、誰にでもおいしい珈琲が淹れられます。
- 珈琲カップにインスタント珈琲の粉末を約2g入れます。
- 約80度のお湯を約150ccいれます。レギュラーは抽出するため90度以上の高温が必要とされますが、インスタントでは抽出しないので飲みやすい温度で良いとされます。