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MPOOL(3)
MPOOL(3) Linux Programmer's Manual MPOOL(3)

名前

mpool -共有メモリバッファプール

書式


#include <db.h>
#include <mpool.h>
 

MPOOL *mpool_open(DBT * key , int fd , pgno_t pagesize , pgno_t maxcache );
 

void mpool_filter(MPOOL * mp , void (*pgin)(void *, pgno_t, void *),
void (* pgout )(void *, pgno_t, void *),
void * pgcookie );
 

void *mpool_new(MPOOL * mp , pgno_t * pgnoaddr );
 

void *mpool_get(MPOOL * mp , pgno_t pgno , unsigned int flags );
 

int mpool_put(MPOOL * mp , void * pgaddr , unsigned int flags );
 

int mpool_sync(MPOOL * mp );
 

int mpool_close(MPOOL * mp );

説明

大事な注意: このページは、バージョン 2.1 までの glibc が提供するインターフェースについて説明している。バージョン 2.2 以降の glibc では、もはやこれらのインターフェースは提供されていない。おそらく、このページではなく、 libdb ライブラリが提供する API をお探しなのだろう。
 
mpool は、ファイルに対するページ指向のバッファ管理を実装したライブラリインターフェイスである。

関数 mpool_open() はメモリプールを初期化する。 key 引数はバイト文字列であり、バッファを共有したい複数プロセス間でのネゴシエーションに使われる。ファイルバッファが共有メモリにマップされると、同じキーを使うプロセスは全てバッファを共有する。 key が NULL だと、バッファはプライベートなメモリに割り付けられる。 fd 引数はもとになるファイルのファイルデスクリプタである。このファイルデスクリプタはシーク可能でなくてはならない。 key が NULL でなく、かつ既にマップされているファイルにマッチした場合、 fd 引数は無視される。

pagesize 引数はバイト単位でのページサイズであり、ファイルはこのサイズに分割される。 maxcache 引数は基ファイルをキャッシュするときに用いる最大ページ数である。この値はファイルバッファを共有しているプロセスの数には関係ないが、ファイルを共有するプロセスが指定したうちの最大値が実際に用いられる。

関数 mpool_filter() は透過的なページ入出力処理を可能にする。関数 pgin が指定されていると、ファイルからメモリプールに読み込まれる度にこの関数が呼び出される。関数 pgout が指定されていと、バッファからファイルに書き出される度にこの関数が呼び出される。どちらの関数も、 pgcookie ポインタ、ページ数、読み書きされるページへのポインタを引数にとる。

関数 mpool_new() は MPOOL ポインタとアドレスを引数にとる。新しいページが割り当て可能な場合、ページへのポインタが返され、ページ数が pgnoaddr アドレスに納められる。割り当てが不可能な場合は NULL が返され、 errno がセットされる。

関数 mpool_get() は MPOOL ポインタとページ数を引数にとる。ページが存在していると、ページへのポインタが返される。存在していないと NULL が返され、 errno がセットされる。 flags 引き数は現在使用されていない。

関数 mpool_put() は pgaddr が参照するページを解放する。 pgaddr は以前に mpool_get() か mpool_new() が返したアドレスでなければならない。 flag の値は以下の値の論理和で指定する。

MPOOL_DIRTY
ページは変更されており、ファイルに書き出す必要がある。

mpool_put() は成功すると 0 を、エラーがあると-1 を返す。

関数 mpool_sync() は MPOOL ポインタの示すページのうち、変更されたものを全てファイルに書き出す。 mpool_sync() は成功すると 0 を、エラーがあると-1 を返す。

関数 mpool_close() はメモリプールクッキーの示す割り当て済みのメモリを解放する。変更されたページはファイルに 書き出されないmpool_close () は成功すると 0 を、エラーがあると-1 を返す。

エラー

関数 mpool_open() は失敗するとライブラリルーチン malloc(3) で指定されているエラーに応じた errno をセットする。

関数 mpool_get() は失敗すると次のような errno をセットする。

EINVAL
要求のあったレコードは存在しない。

関数 mpool_new() と mpool_get() は失敗するとライブラリルーチン read(2), write(2), malloc(3) で指定されているエラーに応じた errno をセットする。

関数 mpool_sync() は失敗するとライブラリルーチン write(2) で指定されているエラーに応じた errno をセットする。

関数 mpool_close() は失敗するとライブラリルーチン free(3) で指定されているエラーに応じた errno をセットする。

準拠

POSIX.1-2001 にはない。 BSD 系に存在する。

関連項目

btree(3), dbopen(3), hash(3), recno(3)

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.51 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2012-04-26 4.4 Berkeley Distribution