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LGAMMA(3)
LGAMMA(3) Linux Programmer's Manual LGAMMA(3)

名前

lgamma, lgammaf, lgammal, lgamma_r, lgammaf_r, lgammal_r, signgam -ガンマ関数の対数を計算する

書式


#include <math.h>
 

double lgamma(double x );
 

float lgammaf(float x );
 

long double lgammal(long double x );
 

double lgamma_r(double x , int * signp );
 

float lgammaf_r(float x , int * signp );
 

long double lgammal_r(long double x , int * signp );
 

extern int signgam ;
 
-lm でリンクする。
 

glibc 向けの機能検査マクロの要件 ( feature_test_macros(7) 参照):
 
lgamma():
_BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE || _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L;
 
or cc -std=c99
 
lgammaf(), lgammal():
_BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE >= 600 || _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L;
 
or cc -std=c99
lgamma_r(), lgammaf_r(), lgammal_r():
_BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE
signgam:
_BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE

説明

ガンマ関数の定義については、 tgamma(3) を参照のこと。

関数 lgamma() は、ガンマ関数の絶対値の自然対数を返す。ガンマ関数の符号は、 <math.h> で宣言されている extern int signgam に格納される。格納される値は、ガンマ関数が正または 0 の場合 1、負の場合-1 である。

signgam という固定された場所を使うことはスレッドセーフではないので、関数 lgamma_r() などが導入されている。これらの関数では、符号は引き数 signp 経由で返される。

返り値

成功すると、これらの関数は Gamma(x) の自然対数を返す。
 
x が NaN の場合、NaN が返される。
 
x が 1 か 2 の場合、+0 が返される。
 
x が正の無限大か負の無限大の場合、正の無限大が返される。
 
x が正でない整数の場合、極エラー (pole error) が発生し、各関数はそれぞれ + HUGE_VAL, + HUGE_VALF, + HUGE_VALL を返す。
 
結果がオーバーフローする場合、範囲エラー (range error) が発生し、各関数はそれぞれ HUGE_VAL, HUGE_VALF, HUGE_VALL, を返す。この際、数学的に正しい符号が付与される。

エラー

これらの関数を呼び出した際にエラーが発生したかの判定方法についての情報は math_error(7) を参照のこと。

以下のエラーが発生する可能性がある。

極エラー: x が正でない整数
errnoERANGE が設定される (「バグ」の節も参照)。 0 による除算 (divide-by-zero) 浮動小数点例外 ( FE_DIVBYZERO) が上がる。
範囲エラー (range error): 結果のオーバーフロー
errnoERANGE が設定される。オーバーフロー浮動小数点例外 ( FE_OVERFLOW) が上がる。

準拠

関数 lgamma() は C99 と POSIX.1-2001 で規定されている。 signgam は POSIX.1-2001 で規定されているが、C99 にはない。関数 lgamma_r() は非標準だが、いくつかの他のシステムにも存在する。

バグ

glibc 2.9 とそれ以前のバージョンでは、極エラーが発生した場合、POSIX で要求されている ERANGE ではなく EDOMerrno に設定される。 POSIX.1 では、 ERANGE が設定されるべきとされている。バージョン 2.10 以降の glibc では、正しい動作をする。

関連項目

tgamma(3)

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.51 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2010-09-11