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BASENAME(3)
BASENAME(3) Linux Programmer's Manual BASENAME(3)

名前

basename, dirname -パス名を解析して各部分を取り出す

書式


#include <libgen.h>
 

char *dirname(char * path );


char *basename(char *path);

説明

警告: basename() には異なるバージョンが 2つ存在する。下記の「注意」の節を参照のこと。

dirname() と basename() は、NULL で終端されたパス名の文字列を、ディレクトリ部分・ファイル名部分に分割する。通常は、 dirname() は最後の'/'までの部分 (最後の'/'は含まない) を返し、 basename() は最後の'/'以降の部分を返す。文字列の末尾についた'/'文字は、パス名の一部とはみなされない。

path に '/' 文字がない場合は、 dirname() は文字列 "."を返し、 basename() は path と同じ内容を返す。 path が文字列 "/"に等しい場合は、 dirname() も basename() も文字列 "/"を返す。 path が NULL ポインタだったり、空の文字列を指していた場合は、 dirname() も basename() も文字列 "."を返す。

dirname() の返した文字列、 "/"、 basename() の返した文字列、を順に結合すると、完全なパス名が得られる。

dirname() と basename() は、いずれも path の内容を変更することがある。したがって、これらの関数を呼び出す際にはコピーを渡すのが望ましい。

これらの関数は、静的に割り当てられたメモリへのポインタを返すことがあり、これらの領域は後の関数呼び出しで上書きされるかもしれない。また、これらの関数は path の一部分を指すポインタを返すこともある。そのため、 path で参照される文字列は、関数が返すポインタが不要になるまでは変更したり free したりすべきではない。

以下の一連の例 (SUSv2 から引用) は、いろいろな path に対して dirname() と basename() が返す文字列を表したものである。

 


path dirname basename
"/usr/lib" "/usr" "lib"
"/usr/" "/" "usr"
"usr" "." "usr"
"/" "/" "/"
"." "." "."
".." "." ".."

返り値

dirname() と basename() は、いずれも NULL で終端された文字列へのポインタを返す。 (これらのポインタを free(3) に渡さないこと。)

準拠

POSIX.1-2001.

注意

basename() には 2種類の異なるバージョンがある。一つはすでに説明した POSIX バージョンであり、もう一つは GNU バージョンである。 GNU バージョンを使用するには以下のようにする。
 


#define _GNU_SOURCE /* feature_test_macros(7) 参照 */

 


#include <string.h>


GNU バージョンは引き数を変更することはなく、 path の末尾が '/'の場合は空の文字列を返す。特に path が "/"の場合も空文字列を返す。 dirname() には GNU バージョンはない。

glibc では、 <libgen.h> をインクルードすると POSIX バージョンの basename() が使用され、それ以外の場合は GNU バージョンとなる。

バグ

glibc の POSIX バージョンの実装では、引き数の内容が変更され、引き数に ("/usr/"などの) 定数文字列を指定されるとセグメンテーションフォールトを起こす。バージョン 2.2.1 以前の glibc では、 glibc の dirname() は末尾が'/'文字になっているパス名を正しく扱えず、引き数が NULL だとセグメンテーションフォールトを起こした。



char *dirc, *basec, *bname, *dname;
char *path = "/etc/passwd";


dirc = strdup(path);
basec = strdup(path);
dname = dirname(dirc);
bname = basename(basec);
printf("dirname=%s, basename=%s\n", dname, bname);

関連項目

basename(1), dirname(1)

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.51 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2009-03-30 GNU