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RPCINFO(8)
RPCINFO(8) FreeBSD System Manager's Manual RPCINFO(8)

名称

rpcinfoRPC に関する情報を表示する

書式

rpcinfo [ -m | -s][ host]

rpcinfo [ host]

rpcinfo -T transport host prognum [ versnum]

rpcinfo -l [ -T transport] host prognum [ versnum]

rpcinfo [ -n portnum] -u host prognum [ versnum]

rpcinfo [ -n portnum][ -t] host prognum [ versnum]

rpcinfo -a serv_address -T transport prognum [ versnum]

rpcinfo -b [ -T transport] prognum versnum

rpcinfo -d [ -T transport] prognum versnum

解説

rpcinfo ユーティリティは、RPC サーバに対して RPC 呼び出しを行ない、得られた情報を表示します。

最初の書式では、 rpcinforpcbind により host に登録されたすべての RPC サービスのリストを表示します。 host が指定されない場合、ローカルホストがデフォルトの値となります。オプション -s が使用されたときは、情報は簡潔な形式で表示されます。

2 番目の書式では、 rpcinforpcbind バージョン 2 により登録された全ての RPC サービスのリストを表示します。最初の書式と 2 番目の書式とで、情報の形式が異なることにも注意して下さい。この理由は、2 番目の書式では、表示する情報を集めるのに使用するプロトコル ( rpcbind プロトコルのバージョン 2) がより古いからです。

3 番目の書式は、指定した host に対し、 prognumversnum の手続き 0 の RPC 呼び出しを行ない、応答を受信したかどうかを報告します。 transport は、指定したサービスに接触するために用いる必要があるトランスポートです。このサービスのリモートアドレスは、リモートへの rpcbind 呼び出しを行ない取得します。

引数 prognum は PPC プログラム番号を表す数値です。 versnum を指定した場合、 rpcinfo は指定した prognum の該当バージョンを呼び出そうとします。この指定がない場合、次のようにします。まず、バージョン番号が存在しないと考えられる場合、 rpcinfo はバージョン 0 を呼び出し、指定した prognum に対し登録されたバージョン番号全てを探し出そうと試みます。バージョン番号が存在するならば、代わりに rpcinfo は極めて高いバージョン番号で呼び出しこの情報を得ようと試み、そして登録されたバージョンそれぞれを呼び出そうとします。注意: バージョン番号は、オプション -b, -d に必要です。

オプション

-T transport
サービスを要求する際のトランスポートを指定します。このオプションが指定されていない場合、 rpcinfo は環境変数 NETPATH で指定するトランスポートを使用します。これが set されていないか、この値が空の場合、 netconfig(5) データベースの中のトランスポートを使用します。これは汎用のオプションであり、 書式 で示された他のオプションといっしょに使用できます。
-a serv_address
serv_address を (ユニバーサルな) アドレスとして使用し、 transport 上のサービスを使い、指定した prognum の手続き 0 を ping し、受けとった応答を報告します。オプション -a には、オプション -T が必要です。

versnum の指定がない場合、 rpcinfo は、そのプログラム番号で利用可能なバージョン番号全てを ping しようとします。このオプションにより、サービスのアドレスを見つけ出すためのリモート rpcbind 呼び出しを避けることができます。 serv_address は与えられたトランスポートのユニバーサルアドレス形式で指定します。

-b
指定した prognumversnum の手続き 0 に対し RPC ブロードキャストを行ない、応答したホスト全てを報告します。 transport が指定されている場合、指定されたトランスポート上でのみブロードキャストします。どのトランスポートもブロードキャストをサポートしていない場合、エラーメッセージを表示します。他のシステムに対し悪影響を及ぼす可能性があるため、ブロードキャストの使用は節度を持って行なわねばなりません。
-d
指定した prognumversnum を持つ RPC サービスの登録を削除します。 transport が指定された場合、 そのトランスポート上のサービスのみを登録解除します。それ以外の場合、登録されたトランスポート全ての上のサービスを登録解除します。スーパユーザを除き、サービスの所有者のみが登録を削除できます。スーパユーザは任意のサービスを削除できます。
-l
指定された host の上にある、与えられた prognumversnum を持つエントリのリストを表示します。リモート rpcbind に接触する際に用いたものと同じプロトコルファミリの中の全てのトランスポートに対し、エントリを返されます。
-m
指定した host に対する rpcbind 操作の統計情報表を表示します。この表は rpcbind の各バージョン (バージョン 2, 3, 4) における統計情報を表示します。それは、各手続きがリクエストされ、サービスが成功した回数、行なわれたリモート呼び出しリクエストの回数とタイプ、処理した RPC アドレス検出に関する情報を与えてくれます。これは、 host 上の RPC 活動をモニタするのに有益です。
-n portnum
-t, -u のためのポート番号として、 rpcbind により与えられるポート番号を使わずに、 portnum を代わりに使用します。このオプションを使用することで、サービスのアドレスを見つけ出すためのリモート rpcbind 呼び出しを避けることができます。このオプションは -a オプションにより非推奨にされました。
-p
rpcbind プロトコルのバージョン 2 を用い、ホスト host 上の rpcbind を探査し、登録された RPC プログラム全てのリストを表示します。 host の指定がない場合、ローカルホストをデフォルトとします。注意: rpcbind プロトコルのバージョン 2 は、かつて、ポートマッパ (portmapper) プロトコルという名前で知られていました。
-s
host 上の、登録された RPC プログラム全ての簡潔なリストを表示します。 host の指定がない場合、ローカルホストをデフォルトとします。
-t
TCP を用いて、指定した host 上の prognum の手続き 0 に対して RPC 呼び出しを行ない、応答があったかどうかを報告します。このオプションは、3 番目の書式で示した -T オプションにより非推奨になりました。
-u
UDP を用いて、指定した host 上の prognum の手続き 0 に対して RPC 呼び出しを行ない、応答があったかどうかを報告します。このオプションは、3 番目の書式で示した -T オプションにより非推奨になりました。

使用例

ローカルマシンに登録されている全ての RPC サービスを見るには、次のようにします。

example% rpcinfo

ホスト名“klaxon”を持つマシン上の rpcbind に登録されている全ての RPC サービスを見るには、次のようにします。

example% rpcinfo klaxon

上記のコマンドにより表示される情報は、かなり長くなる可能性があります。オプション -s を使うことで、より簡潔なリストを表示させることができます。

example$ rpcinfo -s klaxon
program version(s) netid(s) service owner
100000 2,3,4 unix,tcp,udp,tcp6,udp6 rpcbind super-user
100008 1 udp,tcp,udp6,tcp6 walld super-user
100002 2,1 udp,udp6 rusersd super-user
100001 2,3,4 udp,udp6 rstatd super-user
100012 1 udp,tcp sprayd super-user
100007 3 udp,tcp ypbind super-user

トランスポート TCP に対し、名前“klaxon”を持つマシン上にプログラム番号 prognum とバージョン versnum を持つ RPC サービスが登録されているかどうかを示すには、次のようにします。

example% rpcinfo -T tcp klaxon prognum versnum

ローカルマシン上で、 rpcbind プロトコルのバージョン 2 により登録された全ての RPC サービスを表示させるには、次のようにします。

example% rpcinfo -p

全てのトランスポートに対し、バージョン 1 の walld (プログラム番号 100008) サービスの登録を削除するには、次のようにします。

example# rpcinfo -d 100008 1

または、

example# rpcinfo -d walld 1
August 18, 1992 FreeBSD