NEWFS(8) | FreeBSD System Manager's Manual | NEWFS(8) |
名称
newfs — 新しい UFS1/UFS2 ファイルシステムを作成する書式
newfs | [ -EJNUjlnt][ -L volname][ -O filesystem-type][ -S sector-size][ -T disktype][ -a maxcontig][ -b block-size][ -c blocks-per-cylinder-group][ -d max-extent-size][ -e maxbpg][ -f frag-size][ -g avgfilesize][ -h avgfpdir][ -i bytes][ -k held-for-metadata-blocks][ -m free-space][ -o optimization][ -p partition][ -r reserved][ -s size] special |
解説
newfs ユーティリティは、ファイルシステムを最初に使用する前に初期化およびクリアします。 newfs ユーティリティは、指定した特殊ファイルにファイルシステムを作成します。 (しばしば“特殊ファイル”を“ディスク”として扱いますが、特殊ファイルは、物理ディスクである必要はありません。事実、特殊である必要もありません。) デフォルト値は、たいてい妥当な値となりますが、 newfs には、この値を変更するための数多くのオプションがあります。次のオプションは、一般的な配置ポリシを定義します:
- -E
-
ファイルシステムを作る前に、ディスクの内容を消します。 (ブートコードのための) スーパブロックの前の予約領域は、消されません。
このオプションは、wear-leveling アルゴリズムを使用するフラッシュベースの記憶デバイスのためだけに関連しています。
消すことは、ディスク上にあらゆるセクタに書き込むのと同じくらい長い時間がかかるかもしれません。
- -J
- gjournal によって新しいファイルシステムでジャーナル処理 (journaling) を有効にします。詳細については、 gjournal(8) を参照してください。
- -L volname
- 新規ファイルシステムにボリュームラベルを追加します。
- -N
- 実際にはファイルシステムを構築せずに、ファイルシステムパラメータの表示のみを行います。
- -O filesystem-type
- UFS1 フォーマットのファイルシステムの構築には、1 を使用し、 UFS2 フォーマットのファイルシステムの構築には、2 を使用します。デフォルトでは、UFS2 フォーマットです。
- -T disktype
- 過去のものとの互換性のためのものです。
- -U
- ソフトアップデートを新規ファイルシステム上で有効にします。
- -a maxcontig
- 回転遅延 (rotational delay) を強制する前に配置される連続ブロックの最大数を指定します。デフォルトは、1 です。このオプションをどのように設定するかについて、詳しくは、 tunefs(8) を参照してください。
- -b block-size
- ファイルシステムのブロックサイズをバイト単位で指定します。 2 のべき乗である必要があります。デフォルトサイズは、32768 バイトであり、可能な最小サイズは、4096 バイトです。最適なブロックとフラグメントの比率は、8:1 です。他の比率も可能ですが、お勧めできませんし、お粗末な結果となるかもしれません。
- -c blocks-per-cylinder-group
- ファイルシステムのシリンダグループごとのシリンダ数を指定します。デフォルトは、他のパラメータに許される最大値を計算するものです。この値は、他の多くのパラメータ、特にブロックサイズとバイトあたりの inode 数に依存します。
- -d max-extent-size
- 大きなファイルを格納するためにエクステントを使用することを、ファイルシステムは、選択できます。本パラメータは、使用可能な最大エクステントの大きさを指定します。デフォルト値は、ファイルシステムのブロックサイズです。現在、ファイルシステムの 16 倍の最大値のブロックサイズとファイルシステムの最小値のブロックサイズに制限されています。
- -e maxbpg
- 単一のファイルが他のシリンダグループへまたがることを強制される前に、 1 つのシリンダグループから割り当てることのできる最大のブロック数を指定します。デフォルト値は、シリンダグループのブロック数の約 1/4 です。このオプションの詳細については、 tunefs(8) を参照してください。
- -f frag-size
- ファイルシステムのフラグメントサイズをバイト単位で指定します。 blocksize/8 から blocksize までの範囲の、2 のべき乗である必要があります。デフォルトは、4096 バイトです。
- -g avgfilesize
- ファイルシステム中の、ファイルサイズの平均の期待値。
- -h avgfpdir
- ファイルシステム中の、ディレクトリあたりのファイル数の平均の期待値。
- -i bytes
- ファイルシステム中の inode の密度を設定します。デフォルトは、 (4 * frag-size (フラグメントサイズ)) バイトのデータ領域ごとに 1 つの inode を作ります。 inode 数を少なくしたい場合は、大きな値を指定し、 inode 数を多くしたい場合は、小さな値を指定します。各ファイルに対して inode が 1 個必要ですので、ファイルシステム上の平均ファイルサイズを、この値は、事実上指定します。
- -j
- 新しいファイルシステム上でソフトアップデートジャーナリングを有効にします。このフラグは、ユーザの $PATH にある tunefs(8) ユーティリティを実行することによって実装されています。
- -k held-for-metadata-blocks
- 空間の合計を各シリンダグループのメタデータのブロックのために保持するように設定します。設定されるとき、ファイルシステム優先ルーチンは、メタデータのブロックによって使用するための各シリンダグループの inode ブロックに直ちに続く指定された空間の合計を保存しようとします。メタデータのブロックをクラスタ化することは、ランダムファイルのアクセスの速度を上げ、 fsck(8) の実行時間を減少させます。デフォルトで、 newfs(8) は、minfree に予約された空間の半分に設定します。
- -l
- 新しいファイルシステムでマルチラベル MAC を有効にします。
- -m free-space
- 通常のユーザからは、保護されている領域のパーセンテージを指定します。これは、最低限の空き領域のしきい値となります。デフォルト値は、 < ufs/ffs/fs.h> にて MINFREE と定義され、現在 8% です。このオプションの詳細については、 tunefs(8) を参照してください。
- -n
- 新しいファイルシステムに .snap ディレクトリを作成しません。結果として出来たファイルシステムは、スナップショット生成をサポートしないので、ライブモードでの dump(8) や、バックグラウンド fsck(8) は、正しく動作しません。伝統的な fsck(8) やオフライン dump(8) は、このファイルシステム上で動作します。このオプションは、主に dump(8) や fsck(8) のサポートを要求しないメモリファイルシステムや vnode ベースのファイルシステムを対象としています。
- -o optimization
- ( space か time)。ブロック確保に費す時間を最小にするか、ディスク上のフラグメント領域を最小にするかを、ファイルシステムに指示します。デフォルトで minfree (前述) が 8% を下回る場合は、 space (空間) の最小化が行われ、8% 以上ならば time (時間) の最小化が行われます。このオプションの詳細については、 tunefs(8) を参照してださい。
- -p partition
- 基本的なイメージがファイルである場合に使用したいパーティション名 (a..h) であるので、利用者は、ファイルシステムを通して個々のパーティションにアクセスできません。また、デバイスと共に使用することできます、例えば、 newfs -p f /dev/da1s3 は、 newfs /dev/da1s3f と同等です。
- -r reserved
- special で指定されたパーティションの終わりのセクタ単位の予約された空間のサイズ。この空間は、ファイルシステムによって占有されません。 geom(4) のような他の消費者によってそれを使用することができます。デフォルトは、0 です。
- -s size
- ファイルシステムサイズをセクタ単位で指定します。これは、その終り ( -r 参照) の reserved (予約された) 空間以下の special で指定された生のパーティションのサイズをデフォルトとします。また、デフォルト値を選択するために 0 の size (サイズ) を使用することができます。ファイルシステムを予約された空間に拡張することができないことを意味する、有効な size 値を、デフォルトのものより大きくすることはできません。
- -t
- TRIM 有効フラグをオンにします。有効にされ、基本的なデバイスが、BIO_DELETE コマンドをサポートするなら、ファイルシステムは、それぞれの解放されたブロックのために基本的なデバイスへの削除要求を送ります。 trim 有効フラグは、基本的なデバイスがフラッシュメモリを使用するとき、削除コマンドを pre-zero にする、または少なくとも削除されているブロックをコピーすることを避けるために使用できるデバイスとして、通常、設定されます。
次のオプションは、ディスクジオメトリの標準設定を変更します。デフォルトの値は、ディスクラベルから得られます。これらのデフォルトを変更することは、最初に作成されるファイルシステムと異なったタイプのディスクで使用される生の (raw) イメージのファイルシステムを構築するために newfs を使用するときだけ、役に立ちます (例えば、ライトワンスディスク)。これらの値をデフォルトの値から変更すると、標準のスーパブロックが壊れたときに、 fsck(8) が代替のスーパブロックを見つけることができなくなるので注意してください。
- -S sector-size
- セクタサイズ (バイト単位) です (通常 512 以外は、使用しません)。
使用例
newfs /dev/ada3s1a
新規の UFS ファイルシステムを ada3s1a に作成します。 newfs ユーティリティは、ブロックサイズに 32768 バイト、フラグメントサイズに 4096 バイト、シリンダグループあたりのブロック数に最大数を使用します。ほとんどのアプリケーションに対し、これらの値は、歴史的なデフォルト (8192 バイトブロックと 1024 バイトフラグメント) よりも良い性能となる傾向があります。この大きなフラグメントサイズは、小さなファイルを大量に含むファイルシステム上に、無駄な領域を生じさせえます。
関連項目
fdformat(1), geom(4), disktab(5), fs(5), bsdlabel(8), camcontrol(8), dump(8), dumpfs(8), fsck(8), gjournal(8), growfs(8), makefs(8), mount(8), tunefs(8), gvinum(8) M. McKusick, W. Joy, S. Leffler, and R. Fabry, A Fast File System for UNIX, ACM Transactions on Computer Systems 2, 3, pp 181-197, August 1984, (reprinted in the BSD System Manager's Manual).歴史
newfs ユーティリティは、 4.2BSD で登場しました。October 1, 2013 | FreeBSD |