名称

mount — ファイルシステムをマウントする

書式

mount

[ -adflpruvw][ -F fstab][ -o options][ -t ufs | external_type]

mount

[ -dfpruvw] special | node

mount

[ -dfpruvw][ -o options][ -t ufs | external_type] special node

解説

mount ユーティリティは、ポイント node のファイルシステムツリーで special デバイスまたはリモートノード (rhost:path) を準備して、不正手段で得るために nmount(2) システムコールを呼び出します。 special または node が与えられないなら、適切な情報は、 fstab(5) ファイルから取得されます。

システムは、現在マウントされているファイルシステムのリストを保守します。引数が mount に与えられないなら、このリストが印刷 (表示) されます。

オプションは、次の通りです:

-a

fstab(5) に記述されているすべてのファイルシステムがマウントされます。例外は、“ noauto”とマークされているもの、 ( -l オプションが指定されていないなら) “ late”とマークされているもの、 -t フラグによって除外されているもの (下記参照)、または (伝統的なシングルユーザモードの振る舞いを保持するために常に再マウントされているルートファイルシステムを除いて) 既にマウントされているものです。

-d

実際のシステムコールを除いてあらゆることを行ないます。このオプションは、 mount コマンドが何を行おうとしているかを判断するために -v フラグとともに役に立ちます。

-F fstab

使用する fstab ファイルを指定します。

-f

ファイルシステムのマウント状態を読み込み書き込みから、読み込み専用まで格下げすることを試みるとき、書き込みアクセスの取り消しを強制します。また、クリーンでないファイルシステムの R/W マウントを強制します (危険です、注意して使用してください)。

-L

-a オプションとともに使用されるとき、“ late”とマークされているファイルシステム だけ をマウントします。

-l

-a オプションとともに使用されるとき、“ late”とマークされていファイルシステムもマウントします。

-n

他のいくつかの実装との互換性について、このフラグは、現在 no-op です。

-o

オプションは、オプションのコンマで区切られた文字列が続く、 -o フラグを付けて指定されます。矛盾しているオプションが指定されている場合には、右端のオプションに効果があります。次のオプションが利用可能です:

acls

setfacl(1) と getfacl(1) コマンドによってカスタマイズできる、POSIX.1e Access Control Lists (アクセス制御リスト)、または ACL を有効にします。このフラグは、 nfsv4acls フラグと互いに排他的です。

async

ファイルシステムへのすべての I/O は、非同期に行われるべきです。ディスク上のファイルシステム構造の一貫性が保たれている保証がないので、設定することが 危険な フラグです。このために、 async フラグは、控えめに、何らかのデータ復旧メカニズムが存在しているときだけ使用されるべきです。

current

-u フラグとともに使用されるとき、これは、現在、マウントされたファイルシステムのためのオプションを指定することと実質的に同じことです。

force

-f と同様です。ファイルシステムのマウント状態を読み込み書き込みから読み込み専用に格下げしようとするとき、書き込みアクセスを強制的に取り消します。また、クリーンでないファイルシステムの R/W マウントを強制します (危険、注意して使用してください)。

fstab

-u フラグとともに使用されるとき、これは、ファイルシステムのための fstab(5) ファイルにリストされるすべてのオプションを指定することと同じことです。

late

このファイルシステムは、 mount が -l フラグなしの状態で、 -a フラグで実行されているとき、スキップされるべきです。

mountprog=< program>

mount は、直接 nmount(2) を呼び出す代わりに、ファイルシステムをマウントするために指定されたプログラムを強制的に使用します。例えば、次の通りです:

mount -t foofs -o mountprog=/mydir/fooprog /dev/acd0 /mnt

multilabel

指定されたファイルシステムでマルチラベル Mandatory Access Control、すなわち MAC を有効にします。ファイルシステムがマルチラベル操作をサポートしていれば、そのファイルシステム内では、全オブジェクトに対して 1 つのラベルを使うのではなく、各オブジェクトに対して個々のラベルが保持されます。 tunefs(8) の -l フラグの代わりです。マルチラベルマウントフラグをマウント時に自動的に設定することに関しての更なる情報は、 mac(4) を参照して下さい。

nfsv4acls

setfacl(1) と getfacl(1) コマンドを通してカスタマイズできる、FSv4 ACL を有効にします。このフラグは、 acls フラグと互いに排他的です。

noasync

メタデータ I/O を同期に行い、データ I/O を非同期に行います。これがデフォルトです。

noatime

ファイル読み込み時に、ファイルアクセス時刻を更新しません。このオプションが便利なのは、多くのファイルを持ち、(ほとんどの場合重要ではない) ファイルアクセス時刻を更新するよりも性能が重要であるファイルシステムです。このオプションは、現在、ローカルファイルシステムでのみサポートされます。

noauto

mount が -a フラグ付きで動作しているときに、このファイルシステムをスキップします。

noclusterr

リード時のクラスタリングを無効にします。

noclusterw

ライト時のクラスタリングを無効にします。

noexec

マウントしているファイルシステム上のバイナリの実行を許可しません。このオプションは、サーバが自分自身以外のアーキテクチャ用のバイナリを含むファイルシステムを持っている場合に有用です。注: 本オプションは、セキュリティ機能としてデザインされたものではなく、悪意のあるコードの実行を防ぐことを保証するものでもありません。例えば noexec でマウントされたパーティションに存在するスクリプトをまだ実行する可能性はあります。

nosuid

セットユーザ ID (set-user-ID) またはセットグループ ID (set-group-ID) ビットは、効果を得ることができません。注意: suidperl(1) のような suid/sgid ラッパが誰でも使えるようにシステムにインストールされている場合には、価値がありません。ユーザがスーパユーザ権限を持たないときには、本オプションが自動的に設定されます。

nosymfollow

マウントされたファイルシステムにおいては、シンボリックリンクを追跡しません。

ro

-r と同じく、マウントするファイルシステムを読み込み専用とします (スーパユーザでも書き込みできなくなります)。

snapshot

本オプションにより、指定したファイルシステムのスナップショットを取得可能です。 -u フラグは、本オプションに必須です。スナップショットファイルは、スナップショットが取られるファイルシステム上に作成される必要があります。ファイルシステムごとに、最大 20 個のスナップショットを作成可能です。アクティブスナップショットは、スーパブロックに記録されますので、アンマウントと再マウントを跨いだりシステムリブートを跨いても、これらは、永続します。スナップショットがもう要らなくなったら、 rm(1) コマンドで削除可能です。スナップショットの削除順序は、任意ですが、スナップショットに含まれていた空間すべてを取り返せないかもしれません。なぜなら、解放されるブロックを他のスナップショットが必要としているかもしれないためです。 schg フラグは、スナップショット上に設定されますので、 root ユーザでなくともこれらのファイルに書き込み可能です。アンリンクコマンドは、スナップショットファイルに対して例外であり、 schg フラグが設定されていても削除可能とすることで、スナップショットファイル削除前に schg フラグをクリアしなくても良いようになっています。

スナップショットの取得後、次の 3 つの事柄を実行可能です:

1. スナップショットに fsck(8) を実行できます。マウントされていたときのファイルシステムがクリーンな場合、スナップショットに対する fsck は、クリーン (かつ無変更の) 結果が得られるはずです。これが、本質的にはバックグラウンド fsck 処理の動作です。

2. スナップショットに dump(8) を実行できます。スナップショットのタイムスタンプ時のファイルシステムと一致するダンプが得られるでしょう。

3. ファイルシステムの凍結したイメージとして、スナップショットをマウントします。スナップショット /var/snapshot/snap1 をマウントするには、次のようにします:

   mdconfig -a -t vnode -f /var/snapshot/snap1 -u 4 
   mount -r /dev/md4 /mnt

   凍結した /var ファイルシステムは、 /mnt にあり、検査可能となりました。すべてが、スナップショットがとられた時期と同じ状況にあります。例外は、以前のスナップショットが長さ 0 のファイルとして見えることです。マウントしたスナップショットに関する処理が完了したら、次のようにします。

   umount /mnt 
   mdconfig -d -u 4

suiddir

マウントされたファイルシステムにおけるディレクトリに SUID ビットがセットされると、新規ファイルの所有者をディレクトリの所有者に設定します。新規ディレクトリは、親ディレクトリのビットを継承します。実行ビットは、ファイルから取り除かれ、ファイルは、root の所有とはなりません。

この機能は、PC ユーザに対して ftp, SAMBA, netatalk のサービスを行うファイルサーバのためにデザインされました。これは、シェルユーザに対してセキュリティホールとなりますので、特にホームディレクトリを持つシェルマシンでは、使用すべきではありません。このオプションが動作するためには、カーネルの SUIDDIR オプションが必要です。 UFS ファイルシステムのみがこのオプションをサポートします。詳細は、 chmod(2) を参照してください。

sync

ファイルシステムのすべての I/O を同期的に行います。

update

-u と同じく、すでにマウントされているファイルシステムの状態を変化させることを指示します。

union

マウントポイント以下の名前空間に、マウントされたファイルシステムのルートとマウントポイントに元から存在するディレクトリの両方が見えるようにします。名前を検索するときは、マウントしたファイルシステムが先に検索されます。ファイルが存在しないために検索が失敗した場合は、既存のディレクトリがアクセスされます。ファイル等の作成は、すべてマウントしたファイルシステム上に対して行われます。

内部で知られているタイプ -t オプションを参照) でないファイルシステムタイプに特有の追加のオプションは、コンマで区切られたリストとして渡されます。これらのオプションは、先導する“-” (ダッシュ) によって区別されます。例えば、 mount コマンドは、次の通りです:

mount -t cd9660 -o -e /dev/cd0 /cdrom

これによって、 mount は、次と同等なことを実行します:

/sbin/mount_cd9660 -e /dev/cd0 /cdrom

値を取るオプションは、-option=value 構文を使用して指定されます:

mount -t msdosfs -o -u=fred,-g=wheel /dev/da0s1 /mnt

これは、次と同等です。

/sbin/mount_msdosfs -u fred -g wheel /dev/da0s1 /mnt

ファイルシステムタイプに固有な追加オプションで、内部的には、分からないもの (下記 -t オプションを参照してください) は、関連する /sbin/mount_XXX ユーティリティのマニュアルページに記述されているかもしれません。

-p

マウント情報を fstab(5) の形式で表示します。暗黙的に -v オプションを指定します。

-r

ファイルシステムを読み込み専用でマウントします (スーパユーザでも書き込みは行えません)。これは、 -o オプションで ro を指定するのと同じです。

-t ufs | external_type

-t のあとの引数には、ファイルシステムタイプを指定します。デフォルトは、 ufs です。 -t オプションによって、 mount コマンドの操作が、指定した特定のタイプのファイルシステムに対してのみ行われるように指示することができます。 2つ以上のタイプを指定するには、コンマで区切ります。ファイルシステムリストの先頭に“ no”という文字をつけることによって、 mount コマンドの操作の対象と しない ファイルシステムタイプを指定することができます。以下に例を示します:

mount -a -t nonfs,nullfs

は、 NFS と NULLFS を除いた、すべてのファイルシステムをマウントします。

mount のデフォルトの振る舞いは、 -t オプションを直接 fstype オプションの nmount(2) システムコールに渡すことです。

しかしながら、次のファイルシステムタイプに関して: cd9660, mfs, msdosfs, nfs, nullfs, oldnfs, smbfs, udf と unionfs。 mount は、直接 nmount(2) を呼び出さないで、 /sbin/mount_XXX でプログラムを実行することを試みます、ここで、 XXX は、ファイルシステムタイプ名に置き換えられます。たとえば nfs ファイルシステムは、 /sbin/mount_nfs というプログラムによってマウントされます。

ほとんどのファイルシステムは、まだ存在せず、カーネルモジュールが使用可能な場合、カーネルが動的にロードします。

-u

-u フラグは、すでにマウントしているファイルシステムの状態の変更を指示します。ファイルシステムを読み込み専用から読み書き可能へ、またその逆へも変更することを含めて、すでに説明したすべてのオプション ( -o オプション) の内容を変更することができます。読み書き可能なファイルシステムを読み出し専用に変更する場合、書き込みのためにオープンしているファイルがあるときには、 -f オプションを指定しなければ変更に失敗します。どのオプションを適用するかを決定する際、最初に -o オプションの引数を適用し、最後に -r, -w オプションが適用されます。

-v

詳細なメッセージを表示します。 -v が単独で使用されるなら、 MNT_IGNORE フラグでマウントされたものも含めて、すべてのファイルシステムを表示し、 (ルートによって実行されるとき fsid を含んで) 各ファイルシステムに関する追加情報を表示します。

-w

ファイルシステムを読み書き可能とします。

環境変数

PATH_FSTAB

環境変数 PATH_FSTAB が設定されていると、すべての操作は、指定されたファイルに対して実行されます。プロセス環境やメモリアドレス空間が“汚染されている”とみなされる場合には、 PATH_FSTAB は、尊重されません (更なる情報は、 issetugid(2) を参照してください)。

関連ファイル

/etc/fstab

ファイルシステムテーブル

診断

多岐に渡りますが、ほぼ全てが自明です。

XXXXX file system is not available

カーネルは、そのファイルシステムタイプをサポートしていません。ファイルシステムのサポートは、静的 (カーネルコンパイル時) もしくは動的 ( kldload(8) によってカーネルモジュールとしてロードされる) です。

関連項目

getfacl(1), setfacl(1), nmount(2), acl(3), mac(4), devfs(5), ext2fs(5), fstab(5), procfs(5), kldload(8), mount_cd9660(8), mount_msdosfs(8), mount_nfs(8), mount_nullfs(8), mount_smbfs(8), mount_udf(8), mount_unionfs(8), umount(8), zfs(8), zpool(8)

歴史

mount ユーティリティは、 Version 1 AT&T UNIX で登場しました。

警告

mount に成功した後にマウントされたファイルシステムから .. がアクセス可能かどうかは、元のマウントポイントのパーミッションが決定します。全ユーザが双方向にマウントポイントを行き来可能とするために最低限必要なパーミッションは、0111 (全員が実行可能) です。

mount の使用は、ファイルシステム特有の mount_XXX コマンドの使用より優先されます。特に、 mountd(8) は、ファイルシステムが mount を通してマウントされるときだけ、 SIGHUP シグナル (エクスポートリストの更新を引き起こす) を取得します。

バグ

壊れたファイルシステムは、クラッシュを引き起こす可能性があります。