GRAID(8) |
FreeBSD System Manager's Manual |
GRAID(8) |
名称
graid —
ソフトウェア RAID デバイスのための制御ユーティリティ
書式
graid |
label [ -f][ -o fmtopt][ -S size][ -s strip] format label level prov ... |
graid |
add [ -f][ -S size][ -s strip] name label level |
graid |
delete [ -f] name [ label | num] |
graid |
insert name prov ... |
graid |
remove name prov ... |
graid |
stop [ -fv] name ... |
解説
graid ユーティリティは、GEOM RAID のクラスによってサポートされるソフトウェア RAID 設定を管理するために使用されます。 GEOM RAID クラスは、異なった RAID BIOS によって定義されたソフトウェア-RAID ボリュームへのアクセスを提供するためにディスク上のメタデータを使用します。 RAID BIOS タイプとそのメタデータ形式に依存して、設定の異なった部分集合と機能は、サポートされます。 RAID ボリュームからブートすることを許可するために、メタデータ形式は、 RAID BIOS タイプとそのケイパビリティにマッチするべきです。これらがマッチしていることを保証するために、RAID BIOS インタフェースを通してボリュームを作成することが勧められます、一方、経験のあるユーザは、このユーティリティを使用して自由にそれを行えます。
graid への最初の引数は、実行される動作を示します:
-
label
-
単一ボリュームで配列を作成します。
format 引数は、"Intel"のような、この配列のために使用するディスク上のメタデータ形式を指定します。
label 引数は、作成されたボリュームのラベルを指定します。
level 引数は、次のような作成されたボリュームの RAID レベルを指定します: "RAID0"、"RAID1"など。続くリストは、配列の構成要素として使用するプロバイダを列挙します。欠けているディスクのための空間を予約するために、特別な名前 "NONE"を使用することができます。特定の RAID レベルとメタデータ形式に依存して、構成要素の順序が重要となる場合があります。
追加オプションは、次を含みます:
-
-f
-
それが公式にサポートされないなら、指定された設定の作成を強制しますが、技術的に作成することができます。
-
-o
fmtopt
-
メタデータ書式化オプションを指定します。
-
-S
size
-
このボリュームのための各構成要素で
size バイトを使用します。いくつかの配列毎のボリュームが計画されているか、または、より小さな構成要素が後で挿入されようとしているなら、使用されるべきです。デフォルトは、最も小さい構成要素のサイズです。
-
-s
strip
-
バイト単位のストリップされるサイズを指定します。デフォルトは、131072 です。
-
add
-
既存の配列に別のボリュームを作成します。
name 引数は、ラベルコマンドによって報告された、既存の配列の名前です。引数の残りは、ラベルコマンドと同様です。
-
delete
-
既存の配列から (複数の) ボリュームを削除します。最後のボリュームが削除されるとき、配列も削除され、そのメタデータも削除されます。
name 引数は、既存の配列の名前です。オプションの
label または
num 引数によって、削除のためのボリュームを指定することができます。
追加オプションは、次を含みます:
-
-f
-
たとえまだオープンされていていも、(複数の) ボリュームを削除します。
-
insert
-
指定された (複数の) プロバイダを最初に失われたか、または失敗した構成要素の代わりに指定された配列に挿入します。そのような構成要素がないなら、予備として (複数の) ディスクをマークします。
-
remove
-
指定されたアレイと削除されたメタデータから指定された (複数の) プロバイダを削除します。存在している予備のディスクがあるなら、削除された (複数の) ディスクは、予備によって置き換えられます。
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fail
-
使い果たした冗長のために絶対に必要でないなら、アクティブな使用から削除して、与えられた (複数の) ディスクを失敗したとマークします。存在している予備ディスクがあるなら - 失敗したディスクは、それらの 1 つで置き換えられます。
-
stop
-
与えられた配列を停止します。メタデータは、消去されません。
追加オプションは、次を含みます:
-
-f
-
たとえボリュームのいくつかがオープンされていても、与えられた配列を停止します。
-
list
-
geom(8) を参照してください。
-
status
-
geom(8) を参照してください。
-
load
-
geom(8) を参照してください。
-
unload
-
geom(8) を参照してください。
追加オプションは、次を含みます:
-
-v
-
より冗長にします。
サポートされているメタデータ形式
GEOM RAID クラスは、異なったメタデータ形式が使用されることを許可して、モジュールの設計に従います。サポートは、現在、次の形式のために実装されています:
-
DDF
-
SNIA Common RAID Disk Data Format v2.0 仕様によって定義された形式。いくつかの Adaptec RAID BIOSes といくつかのハードウェア RAID コントローラによって使用されます。高い形式の柔軟性のために、異なる実装は、機能の異なるセットをサポートし、異なるオンディスクのメタデータのレイアウトがあります。互換性を提供するために、GEOM RAID クラスは、最初に検出された DDF アレイのケーパビリティを模倣します。それに関して、それは、ボリュームごとのディスクの異なった数、アレイごとのボリューム、ディスクごとのパーティション、などをサポートします。次の設定がサポートされます: RAID0 (2+ disks), RAID1 (2+ disks), RAID1E (3+ disks), RAID3 (3+ disks), RAID4 (3+ disks), RAID5 (3+ disks), RAID5E (4+ disks), RAID5EE (4+ disks), RAID5R (3+ disks), RAID6 (4+ disks), RAIDMDF (4+ disks), RAID10 (4+ disks), SINGLE (1 disk), CONCAT (2+ disks)。
書式化は、仕様によって定義されたビッグエンディアンのバイト順 (デフォルト) といくつかの Adaptec コントローラによって使用されるリトルエンディアンを意味する 2 つのオプション、"BE"と "LE"をサポートしています。
-
Intel
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Intel RAID BIOS によって使用される形式。配列毎に最大 2 つのボリュームをサポートします。サポート設定: RAID0 (2+ ディスク), RAID1 (2 ディスク), RAID5 (3+ ディスク), RAID10 (4 ディスク)。設定は、Intel RAID BIOS によってサポートされませんが、自分自身のリスクで実施可能です: RAID1 (3+ ディスク), RAID1E (3+ ディスク), RAID10 (6+ ディスク)。
-
JMicron
-
JMicron RAID BIOS で使用される形式。配列毎に 1 つのボリュームをサポートします。サポート設定: RAID0 (2+ ディスク), RAID1 (2 ディスク), RAID10 (4 ディスク), CONCAT (2+ ディスク)。設定は、JMicron RAID BIOS によってサポートされませんが、自分自身のリスクで実施可能です: RAID1 (3+ ディスク), RAID1E (3+ ディスク), RAID10 (6+ ディスク), RAID5 (3+ ディスク)。
-
NVIDIA
-
NVIDIA MediaShield RAID BIOS で使用される形式。配列毎に 1 つのボリュームをサポートします。サポート設定: RAID0 (2+ ディスク), RAID1 (2 ディスク), RAID5 (3+ ディスク), RAID10 (4+ ディスク), SINGLE (1 ディスク), CONCAT (2+ ディスク)。設定は、NVIDIA MediaShield RAID BIOS によってサポートされませんが、自分自身のリスクで実施可能です: RAID1 (3+ ディスク)。
-
Promise
-
Promise と AMD/ATI RAID BIOS ドライバによって使用される形式。配列毎に複数のボリュームをサポートします。最大 2 つの任意のボリュームによって使用するために各ディスクを分割することができます。サポート設定: RAID0 (2+ ディスク), RAID1 (2 ディスク), RAID5 (3+ ディスク), RAID10 (4 ディスク), SINGLE (1 ディスク), CONCAT (2+ ディスク)。設定は、RAID BIOS によってサポートされませんが、自分自身のリスクで実施可能です: RAID1 (3+ ディスク), RAID10 (6+ ディスク)。
-
SiI
-
SiliconImage RAID BIOS で使用される形式。配列毎に 1 つのボリュームをサポートします。サポート設定: RAID0 (2+ ディスク), RAID1 (2 ディスク), RAID5 (3+ ディスク), RAID10 (4 ディスク), SINGLE (1 ディスク), CONCAT (2+ ディスク)。設定は、SiliconImage RAID BIOS によってサポートされませんが、自分自身のリスクで実施可能です: RAID1 (3+ ディスク), RAID10 (6+ ディスク)。
サポートされている RAID レベル
GEOM RAID クラスは、異なった RAID レベルが使用されることを許容して、モジュールの設計に従います。次の RAID レベルのための完全なサポートが、現在、実装されています: RAID0、RAID1、RAID1E、RAID10、SINGLE、CONCAT。次の RAID レベルが、(冗長なものを使用しない) 最適な状態のボリュームのための読み込み専用としてサポートされます: RAID4、RAID5、RAID5E、RAID5EE、RAID5R、RAID6、RAIDMDF。
RAID レベルマイグレイション
GEOM RAID のクラスは、いくつかのメタデータ形式によって許可され、 RAID レベルマイグレイションのためのサポートはありません。 BIOS を使用するか、またはある他の方法でマイグレイションを始めたなら、確実にそこでそれを完了してください。あり得るデータの破損の苦痛の下でマイグレイションボリュームにおける GEOM RAID クラスを実行しないでください!
2TiB バリア
NVIDIA メタデータの形式は、2TiB 以上のボリュームをサポートしません。
SYSCTL 変数
次の
sysctl(8) 変数を、
RAID GEOM クラスの振る舞いを制御するために使用することができます。
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kern.geom.raid.aggressive_spare: 0
-
予備としてボリュームのメタデータ形式に一致するベンダのコントローラに接続されたメタデータなしで、あらゆるディスクを使用します。関係のないディスクを接続するなら、データを失わないためにより注意して使用します!
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kern.geom.raid.clean_time: 5
-
指定された秒数アイドルするとき、クリーンなものとしてボリュームをマークします。
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kern.geom.raid.debug: 0
-
RAID GEOM クラスのデバッグレベル。
-
kern.geom.raid.enable: 1
-
オンディスクのメタデータテーストを有効にします。
-
kern.geom.raid.idle_threshold: 1000000
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再構築の目的のためにアイドルなボリュームと見なされるマイクロ秒単位の時間。
-
kern.geom.raid.name_format: 0
-
プロバイダ名の形式は、次の通りです: 0 -- raid/r{num}、1 -- raid/{label}。
-
kern.geom.raid.read_err_thresh: 10
-
ディスクの障害と見なされる読み込みエラーの数。書き込みエラーは、常にディスク障害と見なされます。
-
kern.geom.raid.start_timeout: 30
-
起動時に失われたアレイの構成要素を待つ時間。
-
kern.geom.raid.
X
.enable: 1
-
特定のメタデータまたは変換モジュールに対するテースト (taste) を有効にします。
-
kern.geom.raid.legacy_aliases: 0
-
古い /dev/ar%d デバイスの geom raid エミュレーションを有効にします。これは、古いものから現代のリリースまでシステムのアップグレードを支援するべきです。
終了ステータス
成功すれば、終了ステータスは、0 で、コマンドが失敗するなら、0 以外です。
歴史
graid ユーティリティは、
FreeBSD 9.0 で登場しました。
作者
Alexander Motin <mav@FreeBSD.org>
M. Warner Losh <imp@FreeBSD.org>