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REMOTE(5)
REMOTE(5) FreeBSD File Formats Manual REMOTE(5)

名称

remoteリモートホスト記述ファイル

解説

tip(1) によって知られるシステムとその属性は、 termcap(5) ファイルのような構造の ASCII ファイルに記録されます。ファイルの各行は、1 つの システム についての記述を提供します。フィールドは、コロン (``:'') で分けられています。\文字の直後に改行がある行末は、次の行へ継続されます。

最初のエントリはホストシステムの (複数の) 名称です。システムの名称が 1 つ以上ある場合、名称は縦棒で区切られます。システムの名称の後に記述フィールドが続きます。 `=' 記号が続くフィールド名は、文字列型を示します。 `#' 記号が続くフィールド名は、数値を示します。

``tip*'' と ``cu*'' という名前が付いたエントリは、 tip(1) や、以下で述べるように tip に対するインタフェース cu(1) でデフォルトのエントリとして使われます。 tip が電話番号だけをつけて呼び出された時、``tip300'' の形式のエントリを探します。ここで、300 は接続が張られたボーレートです。 cu インタフェースが使われた時は、``cu300'' という形式のエントリが使われます。

ケーパビリティ

ケーパビリティは、文字列 (str)、数値 (num) またはブール値 (bool) のいずれかです。文字列ケーパビリティは capability = value のように指定されます。例えば、``dv=/dev/harris'' のように指定します。数値ケーパビリティは capability # value のように指定されます。例えば、``xa#99'' のように指定します。ブーリアンケーパビリティは単にケーパビリティを記述するだけで指定されます。
at
(文字列) 自動呼び出しユニットの形式です。
br
(数値) シリアルポート上の通信に使用されるデータレート (秒毎のビット数)。モデム使用時には、リモートモデムとの通信に使用されるデータレートはこのレートとは異なるかもしれません。これは、10 進の数値です。デフォルトのボーレートは 300 ボーです。
cm
(文字列) リモートホストに送られる初期接続メッセージです。例えば、ホストにポート選択器を通して到達する場合、ここにはホストに切り替えるために必要とされる適切なシーケンスが設定されているべきです。
cu
(文字列) 電話の呼び出しが行われる場合の呼び出しユニットです。デフォルトは、`dv' フィールドと同じです。
di
(文字列) ユーザによって切断が要求されている時にホストに送られる切断メッセージです。
du
(ブール値) このホストはダイヤルアップ線上にあることを示します。
dv
(文字列) 接続を確立するためにオープンする (複数の) UNIX デバイスです。このファイルが端末線を参照している場合、 tip(1) は、1 度に 1 ユーザだけがポートにアクセスすることを保証するために、デバイスを排他的にオープンします。
el
(文字列) 行末 (end-of-line) を示す文字です。デフォルトでは NULL 文字です。 `el' 中の 1 文字もしくは復帰文字 (carriage return) の後の `~' エスケープは tip だけで認識されます。
fs
(文字列) 転送のためのフレームサイズです。デフォルトフレームサイズは BUFSIZ と同じです。
hd
(ブール値) ホストが半 2 重通信を使い、ローカルエコーが行われることを示します。
ie
(文字列) 入力のファイル終了 (end-of-file) マークです。デフォルトは NULL です。
oe
(文字列) 出力のファイル終了 (end-of-file) 文字列です。デフォルトは NULL です。 tip がファイルを転送している時、この文字列はファイル終了時に送られます。
pa
(文字列) データをホストに送っている時に使われるパリティの形式です。これは ``even'', ``odd'', ``none'', ``zero'' (いつでも 8 ビット目を 0 に設定する), ``one'' (いつでも 8 ビット目を 1 に設定する)のいずれかです。デフォルトではイーブンパリティです。
pn
(文字列) ホストに対する (複数の) 電話番号です。電話番号フィールドが @ 符号を含んでいる場合、 tip は電話番号の一覧を /etc/phones ファイルから検索します ( phones(5) 参照)。
tc
(文字列) ケーパビリティのリストが、名前で与えられた記述に継続されることを示します。これは主に共通のケーパビリティ情報を共有するために使われます。

関連ファイル

/etc/remote
/etc に置かれた リモート ホスト記述ファイル。

使用例

ここで、ケーパビリティの継続機能の利用をしめす短い例をお見せしましょう。この定義は、56k モデム接続、115200 bps の最初のシリアルポート、パリティ無し、標準の行編集文字とファイル終端文字付きの Hayes コマンド集合の使用を定義しています。 arpavax エントリは、UNIX-57600 エントリのすべてを含み、それに加えて arpavax 用の電話番号を含んでいます (この場合は @ 文字であり、電話番号は環境変数から取得されます)。

UNIX-57600:\ 
:dv=/dev/cuau0:el=^D^U^C^S^Q^O@:oe=^D:du:at=hayes:br#115200:pa=none: 
arpavax|ax:\ 
:pn=\@:tc=UNIX-57600

関連項目

cu(1), tip(1), phones(5)

歴史

remote ファイル書式は、 4.2BSD で登場しました。

バグ

tip(1) ユーティリティは、シリアルポートのデータレートに、シリアルポート用のシステムデフォルトではなく、独自の表現を使用します。
October 20, 2003 FreeBSD