KBDMAP(5) | FreeBSD File Formats Manual | KBDMAP(5) |
名称
kbdmap — kbdcontrol 用のキーボードマップファイルの形式書式
kbdmap |
解説
kbdmap ファイルには、キーボード上のキーがどのように振る舞うべきかが記述されています。これらのファイルは kbdcontrol(1) によって読み込むこともできますし、 kbdmap(1) によってデフォルトの kbdmap ファイルを対話的に選択することもできます。 kbdmap ファイルはブート時に読み込まれるように rc.conf(5) に指定することもできます。また kbdcontrol(1) を使って現在のキーマップを出力することもできます。 ファイルの各行には、キーまたはアクセントを記述します。‘ #
’記号は行末までコメントを表します。
キーの記述は、そのキーのスキャンコードから始めます。その後にシフトキー、コントロールキー、オルトキーと組み合わせた時の結果を次の順番で記述します: 無修飾、シフト、コントロール、コントロールとシフト、オルト、オルトとシフト、オルトとコントロール、オルトとコントロールとシフト。それぞれの修飾キーと組み合わせた時のアクションは、以下を指定できます:
- ' symbol'
- キーが生成すべき記号をシングルクォートでくくって指定します。
- decnum
- 生成する Unicode コードを 10 進数で指定します ( ascii(7) 参照)。例えばスペースには 32 を指定します。
- 0x hexnum
- 生成する Unicode コードを 16 進数で指定します。例えばスペースには 0x20 を指定します。
- ctrlname
- ASCII コントロール文字の標準の名称を一つ指定します: nul, soh, stx, etx, eot, enq, ack, bel, bs, ht, nl, vt, np, cr, so, si, dle, dc1, dc2, dc3, dc4, nak, syn, etb, can, em, sub, esc, fs, gs, rs, ns, us, sp, del。
- accentname
- アクセントの名称を指定することで、次に押すキーがそのアクセントに対応する文字を生成します。後述のアクセントの記述を参照してください。アクセントの名称は、次の通りです: dgra, dacu, dcir, dtil, dmac, dbre, ddot, duml, ddia, dsla, drin, dced, dapo, ddac, dogo, dcar。
- fkey N
- Nth 番目のファンクションキーとして振る舞います。ここで N は、1 から 96 までの範囲の 10 進数です。事前に定義されたファンクションキーのリストについては、 atkbd(4) マニュアルページを参照してください。利用者は、任意の文字列をファンクションキーに割り当てるために kbdcontrol(1) ユーティリティの -f オプションを使用することができます。
- lshift
- 左シフトキーとして振る舞います。
- rshift
- 右シフトキーとして振る舞います。
- clock
- キャプスロックキーとして振る舞います。
- nlock
- 数値ロックキーとして振る舞います。
- slock
- スクロールロックキーとして振る舞います。
- lalt|alt
- 左オルトキーとして振る舞います。
- btab
- バックワードタブとして振る舞います。
- lctrl|ctrl
- 左コントロールキーとして振る舞います。
- rctrl
- 右コントロールキーとして振る舞います。
- ralt
- 右オルト (altgr) キーとして振る舞います。
- alock
- オルトロックキーとして振る舞います。
- ashift
- オルトシフトキーとして振る舞います。
- meta
- メタキーとして振る舞います。
- lshifta|shifta
- 左シフトキー/オルトロックキーとして振る舞います。 (訳注: 他のキーと一緒に押された時はシフトキー、単独で押された時はオルトロックキーとなります。)
- rshifta
- 右シフトキー/オルトロックキーとして振る舞います。 (訳注: lshifta 参照)
- lctrla|ctrla
- 左コントロールキー/オルトロックキーとして振る舞います。 (訳注: 他のキーと一緒に押された時はコントロールキー、単独で押された時はオルトロックキーとなります。)
- rctrla
- 右コントロールキー/オルトロックキーとして振る舞います。 (訳注: lctrla 参照)
- lalta|alta
- 左オルトキー/オルトロックキーとして振る舞います。 (訳注: 他のキーと一緒に押された時はオルトキー、単独で押された時はオルトロックキーとなります。)
- ralta
- 右オルトキー/オルトロックキーとして振る舞います。 (訳注: lalta 参照)
- nscr
- 次のスクリーンへの切替キーとして振る舞います。
- pscr
- 前のスクリーンへの切替キーとして振る舞います。
- scr N
- N 番目のスクリーンへの切替キーとして振る舞います。ここで N は 10 進数です。
- boot
- マシンをリブートします。
- halt
- マシンを停止します。
- pdwn
- マシンを停止し電源を落します。
- debug
- デバッガを起動します。
- susp
- APM を使いサスペンドします。
- saver
- スプラッシュ画面とテキスト画面をトグルしてスクリーンセーバを有効にします。
- panic
- システムをパニックさせます。この機能を有効にするには、 sysctl(8) 変数 machdep.enable_panic_key を 1 に設定する必要があります。
- paste
- マウスバッファのペーストと同じです。
最後に、キーの記述を完了するために、キャプスロックと数値ロックが押された時の結果を記述するフラグを指定します。キャプスロックがそのキーに影響することを示すには‘ C
’を、数値ロックがそのキーに影響することを示すには‘ N
’を、キャプスロックと数値ロックの両方がそのキーに影響することを示すには‘ B
’を、そしてどちらも影響しない時は‘ O
’を指定します。
アクセントキーは、次に押されたキーの振る舞いを装飾するよう働きます。アクセントの記述は、前述のアクセントの名称の一つから始めます。次にそのアクセントの記号が、シングルクォートでくくられるか、 10 進数または 16 進数の Unicode コードで指定されます。この記号は、アクセントキーの次にスペースキーが押された時に生成されます。
アクセントキーの記述は、様々な記号をどのように装飾するかを、通常の記号と装飾された記号の対を小括弧でくくったリストによって続けて指定します。どちらの記号も、シングルクォートでくくられるか、 10 進数または 16 進数の Unicode コードで指定されます。
例として、ある kbdmap から引用した記述を見てみます:
041 dgra 172 nop nop '|' '|' nop nop O dgra '`' ( 'a' 224 ) ( 'A' 192 ) ( 'e' 232 ) ( 'E' 200 ) ( 'i' 236 ) ( 'I' 204 ) ( 'o' 242 ) ( 'O' 210 ) ( 'u' 249 ) ( 'U' 217 )
この引用部は、UK キーボード上で抑音記号キーとして振る舞うバックティックキーを設定しています。バックティックキーの後にスペースキーを押すとバックティックを生成し、バックティックの後に母音を押すと抑音記号付きの母音に対応する ISO-8859-1 の記号を生成します。
関連ファイル
- /usr/share/syscons/keymaps/*
- 標準キーボードマップファイル
歴史
このマニュアルページは FreeBSD 4.2 ではじめて登場しました。January 29, 2008 | FreeBSD |