ATH(4) | FreeBSD Kernel Interfaces Manual | ATH(4) |
名称
ath — Atheros IEEE 802.11 無線ネットワークドライバ書式
このドライバをカーネルにコンパイルするためには、次の行を利用者のカーネル設定ファイルに置きます:
device ath_pci
device ath_hal
options AH_SUPPORT_AR5416
device ath_rate_sample
device wlan
もう一つの方法として、ブート時にモジュールとしてドライバをロードするためには、次の行を loader.conf(5) に置きます:
if_ath_load="YES" if_ath_pci_load="YES"
解説
ath ドライバは、Atheros AR5210, AR5211, AR5212 と AR5416 プログラミング API に基づくワイヤレス (無線) ネットワークアダプタのサポートを行います。これらの API は、多くの種類のチップによって使用されます。 PCI、および/または、CardBus インタフェースでほとんどすべてのチップがサポートされます。サポートしている機能は、802.11 と 802.3 フレーム、電源管理、 BSS、IBSS、MBSS、TDMA とホストベースのアクセスポイント操作モードを含んでいます。 DMA を通してすべてのホスト/デバイスの相互作用があります。
FreeBSD-9.0 から、 ath ドライバは、PCI/PCIe バス glue を含まないことに注意してください。同じドライバは、PCI/PCIe を含んで、複数の基本的なバスタイプをサポートしますが、将来、組み込み (AHB) と USB もサポートされます。
PCI/PCIe システムの使用を有効にするには、 ath_pci(4) ドライバを参照してください。無線 MAC を接続するために AHB を使用する組込みシステムについては、 ath_ahb(4) ドライバを参照してください。
ath ドライバは、802.11 フレームとして、すべての IP と ARP トラフィックをカプセル化します、しかしながら、それは、802.11 または 802.3 フレームのいずれかを受信できます。転送速度とオペレーティングモードは、選択可能であり、特定のチップセットに依存します。 AR5210 ベースのデバイスは、 6 Mbps, 9 Mbps, 12 Mbps, 18 Mbps, 24 Mbps, 36 Mbps, 48 Mbps と 54 Mbps の転送速度で 802.11a オペレーションをサポートします。 AR5211 ベースのデバイスは、 802.11a オペレーションのための上記のように、そして 802.11b オペレーションのための 1Mbps, 2Mbps, 5.5 Mbps と 11Mbps の転送速度で 802.11a と 802.11b オペレーションをサポートします。 AR5212 ベースのデバイスは、それぞれに適切な転送速度で 802.11a, 802.11b と 802.11g オペレーションをサポートします。 AR5416 クラスのデバイスは、802.11n オペレーションの能力がありますが、レガシ (古い) モード (802.11a, 11b, 11g) のみサポートされます。また、ほとんどのチップは、2x 転送速度で 5GHz 周波数範囲で作動する Atheros Turbo Mode (TM) をサポートします。このサポートは、法的な要求事項のために現在利用不可能ですが、また、いくつかのチップは、802.11g で 2.4GHz 範囲の Turbo モードをサポートします。 (しかしながら、Turbo モードは、他の Atheros ベースのデバイスで共同利用できるだけであることに注意してください。) また、AR5212 ベースのデバイスは、ハーフ- (10MHz) と 4 分の 1 幅 (5MHz) のチャネルもサポートします。実際は、使用される転送速度は、シグナル品質とドライバによって採用された“速度制御”アルゴリズムに依存します。すべてのチップは、WEP 暗号化をサポートします。 AR5212 と AR5416 のパーツには、WPA に必要な AES-CCM、TKIP と Michael 暗号操作をサポートするハードウェアがあります。暗号化を有効にするには、以下に示すように ifconfig(8) を使用してください。
ドライバは、 station, adhoc, adhoc-demo, hostap, mesh, wds と monitor モード操作をサポートします。複数の hostap 仮想インタフェースは、5212 の部分を使用するカードで同時に使用するために設定されます。複数のインタフェースが設定されるとき、それぞれには、基本的なデバイスに割り当てられた mac アドレスに U/L ビットを設定することによって形成される別々の mac アドレスがあるかもしれません。いくつもの wds の仮想インタフェースは、 hostap インタフェースと共に設定されます。複数の station インタフェースは、無線リピータデバイスを組み立てるために hostap インタフェースと共に操作されます。また、ドライバは、(必須の 802.11 サポートも有効にするために) options IEEE80211_SUPPORT_TDMA でコンパイルされるとき、 tdma 操作もサポートします。このデバイスを設定する詳しい情報に関しては、 ifconfig(8) を参照してください。
ath ドライバによってサポートされたデバイスは、 Cardbus かミニ PCI パッケージのいずれかの形式があります。 Cardbus スロット中のワイヤレスカードは、急いで挿入されイジェクトされるかもしれません。
ハードウェア
ath ドライバは、AR5005VL チップセットに基づいているものを除いて、すべての Atheros Cardbus と PCI カードをサポートします。使用例
WEP 暗号化で特定の BSS ネットワークに結合します:
ifconfig wlan0 create wlandev ath0 ifconfig wlan0 inet 192.168.0.20 netmask 0xffffff00 ssid my_net \ wepmode on wepkey 0x8736639624
ネットワーク名“ my_net
”で 802.11b IBSS ネットワークに結合するか、または作成します:
ifconfig wlan0 create wlandev ath0 wlanmode adhoc ifconfig wlan0 inet 192.168.0.22 netmask 0xffffff00 ssid my_net \ mode 11b
802.11g ホストベースのアクセスポイントを作成します:
ifconfig wlan0 create wlandev ath0 wlanmode hostap ifconfig wlan0 inet 192.168.0.10 netmask 0xffffff00 ssid my_ap \ mode 11g
802.11a メッシュステーションを作成します:
ifconfig wlan0 create wlandev ath0 wlanmode mesh ifconfig wlan0 meshid my_mesh mode 11a inet 192.168.0.10/24
1 つは、有効にされた WEP、1 つは、セキュリティのない、 2 つの仮想 802.11a ホストベースのアクセスポイントを作成し、それらを fxp0 (有線) デバイスにブリッジします:
ifconfig wlan0 create wlandev ath0 wlanmode hostap \ ssid paying-customers wepmode on wepkey 0x1234567890 \ mode 11a up ifconfig wlan1 create wlandev ath0 wlanmode hostap bssid \ ssid freeloaders up ifconfig bridge0 create addm wlan0 addm wlan1 addm fxp0 up
2.5 ミリ秒のスロットを使用するために設定された 2 つのスロットの TDMA BSS でマスタノードを作成します。
ifconfig wlan0 create wlandev ath0 wlanmode tdma \ ssid tdma-test tmdaslot 0 tdmaslotlen 2500 \ channel 36 up
診断
- ath%d: unable to attach hardware; HAL status %u
- Atheros ハードウェアアクセスレイヤ (層) (Hardware Access Layer) は、要求されたようにハードウェアを設定することができませんでした。ステータスコードは、HAL インクルードファイル sys/dev/ath/ath_hal/ah.h で説明されています。
- ath%d: failed to allocate descriptors: %d
- ドライバは、送信と受信の記述子のための連続したメモリを割り付けることができませんでした。通常、これは、システムメモリが少ないかまたは、断片化されていることを示しています。
- ath%d: unable to setup a data xmit queue!
- 正常なデータフレームのための送信キューをセットアップする HAL への要求は、失敗しました。これは、起こるべきではありません。
- ath%d: unable to setup a beacon xmit queue!
- 802.11 ビーコンフレームのための送信キューをセットアップする HAL への要求は、失敗しました。これは、起こるべきではありません。
- ath%d: 802.11 address: %s
- EEPROM にプログラムされた MAC アドレスが表示されます。
- ath%d: hardware error; resetting
- ハードウェアで回復不能なエラーが起こりました。この種類のエラーは、回復不能な DMA エラーを含んでいます。ドライバは、ハードウェアをリセットして、継続します。
- ath%d: rx FIFO overrun; resetting
- データがホストに転送される前にハードウェア中の受信 FIFO は、オーバフローしました。一般的に、ハードウェアが受信記述子が不足し、受信データを転送する場所がないために、これは、起こります。ドライバは、ハードウェアをリセットして、継続します。
- ath%d: unable to reset hardware; hal status %u
- Atheros ハードウェアアクセスレイヤ (層) (Hardware Access Layer) は、要求されたようにハードウェアをリセットすることができませんでした。ステータスコードは、HAL インクルードファイル sys/dev/ath/ath_hal/ah.h で説明されています。これは、起こるべきではありません。
- ath%d: unable to start recv logic
- ドライバは、フレーム受け付けを再開することができませんでした。これは、起こるべきではありません。
- ath%d: device timeout
- 転送のためにハードウェアをディスパッチされたフレームは、時間内に完了できませんでした。ドライバは、ハードウェアをリセットして、継続します。これは、起こるべきではありません。
- ath%d: bogus xmit rate 0x%x
- 無効な転送レートが発信フレームに指定されました。フレームは、破棄されます。これは、起こるべきではありません。
- ath%d: ath_chan_set: unable to reset channel %u (%u MHz)
- Atheros ハードウェアアクセスレイヤ (層) (Hardware Access Layer) は、スキャンの間にチャネルを切り換えるとき、ハードウェアをリセットすることができませんでした。これは、起こるべきではありません。
- ath%d: failed to enable memory mapping
- ドライバは、PCI デバイスレジスタへのメモリマップされた I/O を有効にすることができませんでした。これは、起こるべきではありません。
- ath%d: failed to enable bus mastering
- ドライバは、DMA を行うための PCI バスマスタとしてデバイスを有効にすることができませんでした。これは、起こるべきではありません。
- ath%d: cannot map register space
- ドライバは、ホストアドレス空間にデバイスレジスタをマップすることができませんでした。これは、起こるべきではありません。
- ath%d: could not map interrupt
- ドライバは、デバイス割り込みのために IRQ を割り付けることができませんでした。これは、起こるべきではありません。
- ath%d: could not establish interrupt
- ドライバは、デバイス割り込みハンドラをインストールすることができませんでした。これは、起こるべきではありません。
関連項目
ath_hal(4), cardbus(4), intro(4), pcic(4), wlan(4), wlan_ccmp(4), wlan_tkip(4), wlan_wep(4), wlan_xauth(4), hostapd(8), ifconfig(8), wpa_supplicant(8)歴史
ath デバイスドライバは、 FreeBSD 5.2 ではじめて登場しました。警告
D-LINK DWL-G520 の Revision A1 と DWL-G650 は、Intersil PrismGT チップに基づいていて、このドライバによってサポートされません。バグ
ソフトウェアの再転送は、ありません。ハードウェアだけが再転送に使用されます。ドライバは、ステーションモードで、チップの電源節約オペレーション完全に有効にされません。その結果として、電源の使用は、(例えば、ラップトップで) 準最適です。
WPA は、5210 部品をサポートしません。
August 28, 2011 | FreeBSD |