TFTP(1) | FreeBSD General Commands Manual | TFTP(1) |
名称
tftp — 簡単なファイル転送プログラム書式
tftp | [ host [ port]] |
解説
tftp ユーティリティは、インターネット TFTP (Trivial File Transfer Protocol) を用いて、リモートマシンとの間のファイル転送を行うためのユーザインタフェースです。リモートマシン名 host は、 tftp 起動時にコマンドラインで指定することが可能です。この場合、 host は、ファイル転送を行う際のデフォルトのホストとして使われます。 (以下の connect コマンドを参照のこと)。コマンド
tftp 起動後、コマンド入力を促すプロンプト“tftp>
”が表示されます。この状態で使用できるコマンドは、以下の通りです:
- ? command-name ...
-
ヘルプメッセージを出力します。
- ascii
-
"mode ascii"の略です。
- binary
-
"mode binary"の略です。
- blocksize [size]
-
TFTP Read Request または Write Request パケットの TFTP ブロックサイズ (blksize) オプションを RFC2348 に明記されている
[size] に設定します。有効な値は、8 と 65464 の間です。ブロックサイズが指定されていないなら、デフォルトで、 512 バイトのブロックサイズが使用されます。
- blocksize2 [size]
-
TFTP Read Request または Write Request パケットの TFTP blksize2 オプションを
[size] に設定します。値は、8 と 32768 の間の 2 のべき乗に制限されます。これは、標準でない TFTP オプションです。
- connect host [ port]
-
ファイル転送を行う
host を (必要あれば
port 番号も同時に) 設定します。なお、 TFTP プロトコルは、 FTP プロトコルと違い、無通信状態においてはホスト間のコネクションを保持しないことに注意してください。つまり、
connect コマンドは、ホスト間のコネクションを確立するのではなく、実際には転送を行うホストを記憶するのに使用されます。使用者は、
connect コマンドを使用する必要はなく、
get または
put コマンドを使用する時にリモートホストを指定することができます。
- debug level
-
冗長な出力の間にデバッグレベルを有効にするか、または無効にします。
level の値として、
packet,
simple,
options または
access の 1 つを指定できます。
- get [ host:] file [ localname]
- get [ host1:] file1 [ host2:] file2 ... [ hostN:] fileN
-
リモートホストから 1 個以上のファイルを取得します。
host 引数を使用すると、将来の転送において
host がデフォルトで使用されます。
localname が指定されると、ファイルは、ローカルには
localname という名前で保存されます。そうでない場合には、元のファイル名が使用されます。同時に 2 個のファイルをダウンロードできないことに注意してください。同時に 1 個、3個、3 個以上のいずれかのみが可能です。
ホストに IPv6 数値アドレスを指定するには、“
[3ffe:2900:e00c:ffee::1234]
: file”のように角括弧で括り、IPv6 アドレスの区切りのコロンとホストとファイル名の区切りのコロンとが区別できるようにしてください。 - mode transfer-mode
-
転送モードを設定します。
transfer-mode は、
ascii または
binary の 2 通りがあります。デフォルトは、
ascii となります。
- packetdrop [arg]
-
転送の間に 100 のパケットから
arg 個をランダムに落します。これは、デバッグ機能です。
- put file [ [ host:] remotename]
- put file1 file2 ... fileN [ [ host:] remote-directory]
-
リモートホストへ 1 個のファイルもしくはファイル集合を転送します。
remotename が指定されると、リモートで保存されるファイル名は、
remotename になります。そうでない場合には、元のファイル名が使用されます。
remote-directory 引数が使用されると、リモートホストは、
UNIX マシンとみなされます。
host に IPv6 数値アドレスを指定するには、
get コマンドの例を参照してください。
- options [arg]
-
TFTP オプションのためのサポートを有効にするか、または無効にします。
arg の有効な値は、 (RFC 2347 オプションを有効にする)
on、(RFC 2347 オプションを無効にする)
off と (RFC でない定義オプションのためのサポートを切り替える)
extra です。
- quit
-
tftp を終了します。 EOF (^D) を入力した場合も同様です。
- rexmt retransmission-timeout
-
パケット毎の再送タイムアウト時間を秒単位で設定します。
- rollover [arg]
-
TFTP Read Request または Write Request パケットのロールオーバオプションを指定します。 65535 のパケットが転送された後に、ブロックカウンタを
arg に設定します。
arg の有効な値は、0 と 1 です。これは、標準でない TFTP オプションです。
- status
-
現在の tftp の状態を表示します。
- timeout total-transmission-timeout
-
全体の転送タイムアウト時間を、秒単位で設定します。
- trace
-
トグル動作でパケットトレース機能の ON/OFF を設定します。
- verbose
- トグル動作でバーボーズモードの ON/OFF を設定します。
関連項目
tftpd(8)次の RFC がサポートされています: RFC 1350: The TFTP Protocol (Revision 2). RFC 2347: TFTP Option Extension. RFC 2348: TFTP Blocksize Option. RFC 2349: TFTP Timeout Interval and Transfer Size Options. RFC 3617: Uniform Resource Identifier (URI) Scheme and Applicability Statement for the Trivial File Transfer Protocol (TFTP).
標準でない rollover と blksize2 TFTP オプションは、次に記載されています: Extending TFTP, http://www.compuphase.com/tftp.htm.
歴史
tftp コマンドは、 4.3BSD で登場しました。Edwin Groothuis <edwin@FreeBSD.org>は、RFC2348 をサポートするために tftpd(8) と tftp コードの主要な書き直しを実行しました。
注
TFTP プロトコルには、ユーザ認証機構がないために、リモートマシン上のファイルには何らかの種類のアクセス制限が生じることがあります。それらに関してはいろいろな例があるため、ここには記述しません。クライアントとサーバが TFTP ブロックサイズオプション (RFC2348)、または標準でない TFTP ロールオーバオプションをサポートせずに、 33488896 オクテット (65535 ブロック) より大きなファイルを転送することができません。
June 22, 2011 | FreeBSD |