IDENT(1) | FreeBSD General Commands Manual | IDENT(1) |
名称
ident -ファイル内の RCS キーワードを読み出す書式
ident [ -q ] [ -V ] [ file ... ]解説
ident は、指定されたファイルがあればそのファイルから、指定がない場合には標準入力から、 $ keyword : text $ なるパターンを検索します。これらのパターンは、通常 RCS の co(1) コマンドにより自動的に挿入されますが、手作業で入れることも可能です。オプション -q を指定すると、ファイル中にキーワードが発見できなくても警告メッセージを出力しません。 -V を指定すると、 ident のバージョン番号を表示します。
ident は、テキストファイルと同様にオブジェクトファイルやダンプファイルにも使用することができます。たとえば、以下の C 言語プログラム f.c で、
-
#include <stdio.h>
"$Id: f.c,v 50472 1999-08-27 23:37:10Z peter % $";
f.c が f.o にコンパイルされているなら、以下のコマンド
- ident f.c f.o
は、次のような出力を行います。
-
f.c:
$Id: f.c,v 50472 1999-08-27 23:37:10Z peter % $
f.o:
$Id: f.c,v 50472 1999-08-27 23:37:10Z peter % $
C 言語プログラムで上記のような文字列 rcsid が定義され、かつ使われていないとき、 lint(1) が警告を出したり、C コンパイラによっては最適化により文字列を削除する場合があります。もっとも、よい解決策は上のプログラム例のように文字列 rcsid を使うことです。
ident は、r* がサポートする keyword でなくても、すべての $keyword: text $ パターンを表示します。これにより、 $XConsortium$ のような非標準の keyword についても情報が得られます。
キーワード
つぎに現在、 co(1) が扱う keyword を挙げます。デフォルトでは、すべての時刻は協定世界時 (UTC しばしば GMTと呼ばれます) で表されますが、チェックアウトのときに、 co の -z zone オプションを使ったファイルについては、数字によるタイムゾーンが付加されます。- $Author$
- そのリビジョンをチェックインしたユーザ名です。
- $Date$
- そのリビジョンをチェックインした日付と時刻です。
- $Header$
- RCS ファイルのフルパス名を含んだ標準のヘッダ、リビジョン番号、作者、状態、およびロックされている場合にはロックした人です。
- $Id$
- RCS ファイルの名前がフルパスでないことを除いて、 $Header$ と同じです。
- $Locker$
- そのリビジョンをロックした人のユーザ名 (ロックされていない場合は空白) です。
- $Log$
- チェックインのときに書かれたログメッセージです。 ident の目的としては、 $RCSfile$ と等価です。
- $Name$
- リビジョンをチェックアウトするときに使うシンボル名です(ないかもしれません)。
- $RCSfile$
- フルパスでない RCS ファイルの名前です。
- $Revision$
- そのリビジョンのリビジョン番号です。
- $Source$
- RCS ファイルのフルパス名です。
- $State$
- rcs(1) or ci(1) の -s オプションで付けられたそのリビジョンの状態です。
co(1) は、以下の文字をエスケープシーケンスで表現することにより、キーワードの文字列の形を保ちます。
char escape sequence
tab \t
newline \n
space \040
$ \044
\ \\
作者
Author: Walter F. Tichy.関連項目
ci(1), co(1), rcs(1), rcsdiff(1), rcsintro(1), rcsmerge(1), rlog(1), rcsfile(5)1999-08-27 | GNU |