解説
gdbserver は、デバッグされるプログラムを実行しているマシンでなく、異なったマシンで、GDB を実行することができるプログラムです。
使用法 (サーバ (ターゲット) サイド):
最初に、利用者は、ターゲットシステムに置かれたデバッグしたいプログラムのコピーを持つ必要があります。 gdbserver がシンボルに無関心であるので、必要に応じて、記憶域を節約するためにプログラムをストリップ (strip) することができます。すべてのシンボル操作は、ホストシステムで実行する GDB によって管理されます。訳注: strip(1) コマンド参照。
サーバを使用するために、使用者は、ターゲットシステムにログオンして、 'gdbserver' プログラムを実行します。利用者は、(a) GDB と通信する方法、 (b) 利用者のプログラムの名前と (c) その引数を伝えなければなりません。一般的な構文は、次の通りです:
target> gdbserver COMM PROGRAM [ARGS ...]
例えば、シリアルポートを使用して、次のように記述するかもしれません:
target> gdbserver /dev/com1 emacs foo.txt
これは、foo.txt を引数として emacs をデバッグすることを gdbserver に伝え、 /dev/com1 を通して GDB と通信します。 gdbserver は、今、それと通信するために、ホスト GDB を根気良く待ちます。
TCP 接続を使用するために、次のように記述します:
target> gdbserver host:2345 emacs foo.txt
これは、我々が TCP を通してホスト GDB と通信しようとしていることを除いて、最後の例とほとんど同じことを記述しています。 `host:2345' 引数は、我々が `host' からローカル TCP ポート 2345 への TCP 接続を調べることになることを予想していることを意味します。 (現在、`host' 部分は、無視されます。) 利用者は、ターゲットシステムに存在している TCP ポートと衝突しない限り、ポート番号のために希望の任意の数を選択することができます。この同じポート番号は、まもなく説明される、ホストの GDB の `target remote' コマンドで使用されなければなりません。利用者が別のサービスと衝突するポート番号を選択したなら、gdbserver は、エラーメッセージを印刷 (表示) して、終了することに注意してください。
また、いくつかのターゲットでは、gdbserver は、プログラムを実行するためにアタッチすることができます。これは、--attach 引数によって達成されます。構文は、次の通りです:
target> gdbserver COMM --attach PID
PID は、現在実行しているプロセスのプロセス ID です。実行プロセスのためにバイナリで gdbserver を指す必要ではありません。
使用法 (ホストサイド):
GDB は、シンボルテーブルなどを調べる必要があるので、利用者のホストシステムでターゲットプログラムのストリップされていないコピーを必要とします。最初の引数としてのターゲットプログラムを指定して、 GDB を普通に起動します。 (シリアルラインが、9600 ボー以外で実行されているなら、利用者は、--baud オプションを使用する必要があります。)
すなわち: `gdb TARGET-PROG' または `gdb --baud BAUD TARGET-PROG' です。その後、利用者が知る必要がある唯一の新しいコマンドは、`target remote' です。その引数は、デバイス名 (通常 '/dev/ttyb' のようなシリアルデバイス) または HOST:PORT 記述子のいずれかです。例えば:
(gdb) target remote /dev/ttyb
は、シリアルライン /dev/ttyb を通してサーバと通信し、そして:
(gdb) target remote the-target:2345
は、利用者が、以前に同じポート番号で gdbserver を開始した、ホスト `the-target' でポート 2345 への TCP 接続を通して通信します。 TCP 接続について、利用者は、`target remote' コマンドを使用する前に、 gdbserver を開始しなければなりません、そうでなければ、`Connection refused' のようなエラーとなることに注意してください。
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