名称

cut — ファイルの各行の選択された部分を切り取る

書式

cut	-b list [ -n][ file ...]

cut	-c list [ file ...]

cut	-f list [ -w | -d delim][ -s][ file ...]

解説

cut ユーティリティは、各 file から ( list によって指定されるように) 各行の選択された部分を切り取り、それらを標準出力にに書き込みます。 file 引数が指定されないか、または file 引数が単一のダッシュ (‘ -’) であるなら、 cut は、標準入力から読み込みます。カラム位置の観点で、または特殊文字によって区切られたフィールドの観点で、 list によって指定された項目を指定することができます。カラムとフィールド番号は、1 から始まります。

list オプション引数は、増加方向の番号および/または番号の範囲のコンマまたは空白類で区切られた組です。番号の範囲は、数値、ダッシュ (‘-’) と 2 番目の数値から成り、最初の番号から 2 番目の番号まで (両端の番号を含んで) カラムまたはフィールドを選択します。番号または番号の範囲は、1 から最後の番号までのすべてのカラムまたはフィールドを選択する、ダッシュを前に付けることができます。番号または番号の範囲は、最後の番号から行の終りのすべてのカラムまたはフィールドを選択する、ダッシュを後ろに付けることができます。番号または番号の範囲は、繰り返され、重なり、順不同であるかもしれません。入力行に選択したカラムまたはフィールドが存在しなくてもエラーとなりません。

オプションは、次の通りです:

-b list

list は、バイト位置を指定します。

-c list

list は、文字位置を指定します。

-d delim

タブ文字の代わりにフィールドのデリミタ文字として delim を使用します。

-f list

list は、フィールドデリミタ文字によって区切られたされた入力のフィールドを指定します ( -d オプションを参照。) 出力フィールドは、単一のフィールドデリミタ文字によって区切られます。

-n

マルチバイト文字を分割しません。少なくとも 1 バイトが選択され、0 個以上の選択されないバイトの接頭辞の後に、その文字から残りのバイトが選択される場合のみ、文字は、出力されます。

-s

フィールドデリミタ文字がない行を出力しません。指定されないなら、デリミタのない行は、変更されないでそのまま出力されます。

-w

デリミッタとして空白類 (空白とタブ) を使用します。連続する空白とタブは、1 つの単一のフィールドセパレータと見なされます。

環境変数

LANG, LC_ALL と LC_CTYPE 環境変数は、 environ(7) に説明されているように、 cut の実行に影響します。

終了ステータス

The cut utility exits 0 on success, and >0 if an error occurs.

使用例

“name:shell”のペアとしてシステムの passwd(5) ファイルからユーザのログイン名とシェルを抜粋します:

cut -d : -f 1,7 /etc/passwd

現在ログインしているユーザの名前とログイン時刻を表示します:

who | cut -c 1-16,26-38

関連項目

colrm(1), paste(1)

規格

cut ユーティリティは、 IEEE Std 1003.2-1992 (“POSIX.2”) に適合しています。

歴史

cut コマンドは、 AT&T System III UNIX で登場しました。