さくぶつのひひょう
作物の批評

冒頭文

中学には中学の課目があり、高等学校には高等学校の課目があって、これを修了せねば卒業の資格はないとしてある。その課目の数やその按排(あんばい)の順は皆文部省が制定するのだから各担任の教師は委託をうけたる学問をその時間の範囲内において出来得る限りの力を尽すべきが至当と云わねばならぬ。 しかるに各課担任の教師はその学問の専門家であるがため、専門以外の部門に無識にして無頓着(むとんじゃく)なるが

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 夏目漱石全集10
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1988(昭和63)年7月26日