きょういくとぶんげい
教育と文芸

冒頭文

私は思いがけなく前から当地の教育会の御招待を受けました。凡(およ)そ一カ月前に御通知がありましたが、私は、その時になって見なければ、出られるか出られぬか分らぬために、直(すぐ)にお答をすることが出来ませんでした。しかし、御懇切(ごこんせつ)の御招待ですから義理にもと思いまして体だけ出懸(か)けて参りました。別に面白いお話も出来ません、前(ぜん)申した通り体だけ義理にもと出かけたわけであります。

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 漱石文明論集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1986(昭和61)年10月16日