はなだきよてるろん
花田清輝論

冒頭文

花田清輝の名は読者は知らないに相違ない。なぜなら、新人発掘が商売の編輯者(へんしゅうしゃ)諸君の大部分が知らなかったからである。知らないのは無理がないので、花田清輝が物を書いていた頃は彼等はみんな戦争に行っていたのだから。 私は雑誌はめったに読まない性分だから、新人などに就(つい)て何も知らず差出口のできないのが当然なのだが、戦争中「現代文学」という同人雑誌に加わっていたので、平野謙、佐々木基

文字遣い

新字新仮名

初出

「新小説」1947(昭和22)年1月1日

底本

  • 日本文化私観 坂口安吾エッセイ選
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 1996(平成8)年1月10日