れきしたんていほうほうろん
歴史探偵方法論

冒頭文

私は歴史については小学校一年生でちかごろ志を立てて読みだしたばかりだから多くのことは知らない。 けれども、一年生ながらもお歴々の大先生方の手前をはばからず言わなければならない一ツのことがあると思うようになった。それは歴史というものはタンテイの作業と同じものだということである。ところが歴史学者はタンテイ作業が劣等生で、その方法に於て筋が立たず、チンプンカンプンで、犯人を牢屋へ閉じこめるわけではな

文字遣い

新字新仮名

初出

「新潮 第四八巻第一一号」1951(昭和26)年10月1日

底本

  • 坂口安吾全集16
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1991(平成3)年7月24日