しんせつ いしかわごえもん『こうへん』にきたいす
真説 石川五右衛門『後編』に期待す

冒頭文

檀君が五右衛門を書くために、はじめて大阪へたつという晩、私たちは銀座で酔っ払った。石川淳もいたようだ。新大阪の記者が檀君につきそっていたね。彼が汽車に乗りおくれないように監視するためであった。 酔っ払う檀君と、それを監視しつつある記者君との滑稽な悪関係は、五右衛門が完結するまでひきつづいて行われる運命のようである。 しかし檀君の監視者は新大阪の記者君だけではないのである。彼は年中誰かに監視

文字遣い

新字新仮名

初出

「新大阪 第一〇三〇号」1951(昭和26)年5月30日

底本

  • 坂口安吾全集16
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1991(平成3)年7月24日