せいようのはまやき
西洋の浜焼

冒頭文

アルゼンチンの浜焼 アルゼンチンから来ている氷河学者から、南米インディアンの料理の話を聞いた。クラントウというのだそうで、原理からいえば、鯛の浜焼のようなものであって、別に珍しい話ではないかもしれないが、ただ規模の大きいところが、ちょっと変っている。これは野外で、大勢の仲間があつまって食事をする場合に限られている。アルゼンチンの草原の広々としたところが舞台である。 まず地面に大きい穴を掘って

文字遣い

新字新仮名

初出

本文「あまカラ 第五十二号」甘辛社、1955(昭和30)年12月5日<br>付記「あまカラ 第五十八号」甘辛社、1956(昭和31)年6月5日

底本

  • 中谷宇吉郎随筆選集第三巻
  • 朝日新聞社
  • 1966(昭和41)年10月20日