あすへのわだい
あすへの話題

冒頭文

重力を絶ち切る話 このごろ、あまり意外なことが、つぎつぎと出て来るので、たいていのことには、そう驚かなくなった。ところが、最近全く奇想天外な話をきいて、大いに度胆を抜かれた。それは重力を絶ち切る研究の話である。 宇宙旅行は、目下、世界的なブームであるが、現実味が少しでもある話は、皆ロケット、あるいは類似のものである。 しかしロケットでは、もう古くなったので、空想小説や、いわゆる科学空想映

文字遣い

新字新仮名

初出

「日本経済新聞」1956(昭和31)年5月~11月

底本

  • 中谷宇吉郎随筆選集第三巻
  • 朝日新聞社
  • 1966(昭和41)年10月20日