にほんがらし
日本芥子

冒頭文

西洋料理、中国料理に添えてあるあのからしを見るたびに、どうも気になってしようがない。日本料理に付けられた場合などはなおさらである。 元来、西洋からしというもの、肝心の辛さが一向辛くなく、第一大切な香味がなっていない。辛味も香味も共に優れている日本からし。しかも、安価で存在しているものを、なにをもって西洋からしをありがたがるのか。わたしにはさっぱりその気が知れない。あの小麦粉とからし粉を混ぜ合わ

文字遣い

新字新仮名

初出

「朝日新聞」1938(昭和13)年7月1日

底本

  • 魯山人著作集 第三巻
  • 五月書房
  • 1980(昭和55)年12月30日