かちくしょくにあまんずるおおくのひとびと
家畜食に甘んずる多くの人々

冒頭文

ひとは偉そうな顔はしていても、また自由、自由と、自由を叫んでみても、みながみな、家畜に等しく、宛てがわれたままの食べ物を口にして、うまいとかまずいとかいってはいるが、日常の事務的行為として三度の食事の不自由に気がつかない。 大部分の人間が、女房の宛てがい扶持、弁当屋、料理屋の宛てがい食に従い、いささかも不自由を忍んでの食事とも、奇妙な食生活とも気にしていないようだ。まことに不思議である。このひ

文字遣い

新字新仮名

初出

「独歩 1号」1952(昭和27)年6月

底本

  • 魯山人著作集 第三巻
  • 五月書房
  • 1980(昭和55)年12月30日