『せっかずせつ』のけんきゅう
『雪華図説』の研究

冒頭文

一 緒言 我が国が世界における文明国の中で有数の雪国であることは周知の事柄である。しかし雪に関する研究は今まであまりなされていないので、わずかにこの『雪華図説』と、少しく趣を異にするが鈴木牧之の『北越雪譜』ぐらいがあげられるだけである。このように量において極めて乏しいのであるが、その中『雪華図説』の方は、現代科学の眼から見てもかなり優れた研究であると思われる。『雪華図説』は、天保三年(西暦一八三

文字遣い

新字新仮名

初出

「画説 第二十五号」東京美術研究所、1939(昭和14)年1月1日

底本

  • 中谷宇吉郎集 第二巻
  • 岩波書店
  • 2000(平成12)年11月6日