リチャードソン
リチャードソン

冒頭文

私がリチャードソン先生の実験室で働いたのは、一九二八年の四月からまる一年間に過ぎなかったので、決して先生をよく理解したとはいえないであろう。しかしわずか一年の間にリチャードソン先生をその代表と見るべき英国の学者の一つの型から受けた印象はかなり強いものである。それは結局のところ生活と研究とが完全に一致しているということである。そして英国という国の雰囲気は、そのような人のそのような生活を許容しておくこ

文字遣い

新字新仮名

初出

「科学知識 第十六巻第十一号」1936(昭和11)11月9日

底本

  • 中谷宇吉郎集 第一巻
  • 岩波書店
  • 2000(平成12)年10月5日