スポーツのかがく |
| スポーツの科学 |
冒頭文
大分昔の話であるが、冬彦先生がある新聞に「角力の力学」というものを書かれたことがあるそうである。それは、漱石先生が未だ有名になりかけられた頃の話であるが、これらがまずスポーツ物理学の先駆であろう。 大体スポーツ物理学というようなものが成り立つかどうかが問題であるが、この頃のようにスポーツ全盛で科学尊重の世の中では、この二つの言葉を単につなぎ合せただけでも、相当のジャーナリスチックな価値が出るら
文字遣い
新字新仮名
初出
「帝国大学新聞」1935(昭和10)年11月18日
底本
- 中谷宇吉郎集 第一巻
- 岩波書店
- 2000(平成12)年10月5日