じゅうにかのゆき |
| 十二花の雪 |
冒頭文
六華豊年の兆という言葉がある位、雪の結晶といえば六花ときまっているように思われているが、中には十二花のものもある。第2図の写真は一九三四年の冬十勝岳で撮られた十二花の結晶の一例であるが、その外に、三花四花などの結晶も案外珍しくない。 十二花の雪は実は天保三年刊行の土井利位(としつら)の『雪華図説』に立派な摸写が出ている。第1図はそれを転載したもので、長短二種の枝が交互に出ている点に注目すべきで
文字遣い
新字新仮名
初出
「東京朝日新聞」1936(昭和11)年2月2日
底本
- 中谷宇吉郎集 第一巻
- 岩波書店
- 2000(平成12)年10月5日