にほんのやきもの
日本のやきもの

冒頭文

多くの文明諸国におけると同じ様に、日本でも、やきもの、つまり陶磁器が日常生活の什器として使用され始めた時期は、遠く紀元前数世紀に遡ることが出来る。けれども、陶磁器が諸々の趣味生活の素材として取上げられ始めたのは、遥かに後代のことらしい。九世紀から十二世紀にかけて、日本では平安朝時代と呼ばれる、宮廷文化の華やかであった時代が続いたが、この時代は主として中国文化を輸入して、万事これを範とした時代であっ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 魯山人陶説
  • 中公文庫、中央公論社
  • 1992(平成4)年5月10日