うしすてばうますてば
牛捨場馬捨場

冒頭文

今もなお諸所に小字(こあざ)を牛捨場または馬捨場と称する所がある。また小字という程でなくても、俗にそう呼んでいる場所が各地に多く、現に昔は死牛馬をここへ捨てたものだなど伝称せられているところも少くない。これは一体どうしたものか。 我が国は農業国である。したがって耕作を助けしめるべく牛馬を飼育する事が多い。また運搬用、騎乗用、あるいは挽車用としての牛馬の飼養も古来かなり多かった事であるに相

文字遣い

新字新仮名

初出

「歴史地理 43-5号」1924(大正13)年5月

底本

  • 賤民とは何か
  • 河出書房新社
  • 2008(平成20)年3月30日