へんしゅうざっかん
編輯雑感

冒頭文

自分がこの特別号の発行を思い付いたのは、本年二月下旬、東京築地本願寺で催された同情融和会の折であった。かくて爾来材料の蒐集に着手し、四月にその計画を発表して各地の有志家に材料の提供を依頼し、五月の本誌上に始めて予告を掲げた様な次第であったが、今やともかくもこれだけのものを発行せしむるに至ったのは、同情者各位とともに愉快に堪えぬところである。 自分は歴史家として早くから賤民の沿革に注意せん

文字遣い

新字新仮名

初出

「民族と歴史 第二巻第一号」1919(大正8)年7月

底本

  • 被差別部落とは何か
  • 河出書房新社
  • 2008(平成20)年2月29日