「エタ」めいぎこう
「エタ」名義考

冒頭文

1 「穢多」という文字の使用 同じ日本の国土に生を営む一部の人民に対して、「穢多」という極めて同情のない文字を用い始めたのは、いつの頃、何人の仕業であるか、思えば罪の深い事をしたものである。 この文字の為にその仲間の者が社交上蒙る不利益は、実に夥しいものである。非人は足洗(あしあらい)をして素人(しろうと)になる道もあるが、エタは人そのものが穢れているからというので、徳川時代に

文字遣い

新字新仮名

初出

「民族と歴史 第二巻第一号 特殊部落研究」1919(大正8)年7月

底本

  • 被差別部落とは何か
  • 河出書房新社
  • 2008(平成20)年2月29日