エタとひにんとふつうじん
エタと非人と普通人

冒頭文

踏み出しの方向如何によって、一歩の差は遂に千里の差となる。称号廃止以前のエタの状態を見るに慣れたものは、所謂エタと普通人との間には、まるで人種がでも違ったものの如く考えたのも無理からぬ程に、彼此の地位に懸隔が設けられていた。しかしその中間に非人というものを置いて、さらにその所謂非人の古えを考えてみたならば、その間何ら区別のないものたる事は、容易に理会せらるべきものである。 エタと云い、夙

文字遣い

新字新仮名

初出

「民族と歴史 第二巻第一号 特殊部落研究」1919(大正8)年7月

底本

  • 被差別部落とは何か
  • 河出書房新社
  • 2008(平成20)年2月29日