ゆきのとかち ――ゆきのけんきゅうのせいかつ――
雪の十勝 ――雪の研究の生活――

冒頭文

初めは慰み半分に手をつけて見た雪の研究も、段々と深入りして、算(かぞ)えて見ればもう十勝岳(とかちだけ)へは五回も出かけて行ったことになる。落付(おちつ)く場所は道庁のヒュッテ白銀荘(はくぎんそう)という小屋で、泥流(でいりゅう)コースの近く、吹上(ふきあげ)温泉からは五丁(ちょう)と距(へだ)たっていない所である。此処(ここ)は丁度十勝岳の中腹、森林地帯をそろそろ抜けようとするあたりであって、標

文字遣い

新字新仮名

初出

「山」1935(昭和10)年12月1日

底本

  • 中谷宇吉郎随筆集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1988(昭和63)年9月16日