しんさいにっし
震災日誌

冒頭文

大正十二年九月一日関東地方に起った大地震は、未曾有の大災害を東京・横浜その他の都邑に及ぼした。いずれこの大変事については、新聞・雑誌が争うて精しい報道に努めるであろうし、また纏まった書物も後には少からず発行されることであろうから、一般のことはすべてこれを省略して、ただ自分が直接見聞関知したことのみを、今日から筆に任せて書きとめておこうと思う。 九月一日夜、炎煙東京の半ばを蔽うの時、瓦落ち壁崩れ

文字遣い

新字新仮名

初出

「社会史研究 第一〇巻第三号」1923(大正12)年11月

底本

  • 喜田貞吉著作集 第一四巻 六十年の回顧・日誌
  • 平凡社
  • 1982(昭和57)年11月25日