〔きひんのせんげん、ちとくのもはん〕
〔気品の泉源、智徳の模範〕

冒頭文

左の一編は十一月一日、慶應義塾先進の故老生が懐旧会とて芝紅葉館に集会のとき、福澤先生の演説したるものなり。 老生の演(の)べんとする所は、慶應義塾の由来に就(つ)き、言(げん)少しく自負に似て俗に云(い)う手前味噌(てまえみそ)の嫌(きらい)なきに非(あら)ざれども、事実は座中諸君の記憶に存する通り聊(いささか)も違(たが)うことなく、且(か)つ今夕は内輪の会合にして他に憚(はばか)る所もあら

文字遣い

新字新仮名

初出

「時事新報」1896(明治29)年11月3日

底本

  • 福澤諭吉著作集 第5巻 学問之独立 慶應義塾之記
  • 慶應義塾大学出版会
  • 2002(平成14)年11月15日