りょうりしばい
料理芝居

冒頭文

良寛は「好まぬものが三つある」とて、歌詠みの歌と書家の書と料理屋の料理とを挙げている。まったくその通りであって、その通りその通りと、なんべんでも声を大にしたい。料理人の料理や、書家の書や、画家の絵というものに、大したもののないことは、われわれの日ごろ切実に感じているところである。 しからばこれはなにがためであろうか。 良寛のいうのは、料理人の料理とか書家の書というようなものが、

文字遣い

新字新仮名

初出

「独歩」1953(昭和28)年

底本

  • 魯山人の美食手帖
  • グルメ文庫、角川春樹事務所
  • 2008(平成20)年4月18日