にほんりょうりのきそかんねん
日本料理の基礎観念

冒頭文

私どもが旅行をしますと、汽車の弁当を食ったり、旅館の料理を食ったりしなければなりませんが、それらはいかにも不味(まず)くてまったく閉口します。そういう日本料理というものはまるでなっていません。まだ西洋料理ならいくらか食べられます。また、中国料理でもそうです。してみると、西洋料理とか中国料理とかいうものは、拵(こしら)え方がやさしいのだ、単純なのだ。ひと通り覚えれば、誰にでも簡単にやれるのでありまし

文字遣い

新字新仮名

初出

「星岡」1933(昭和8)年

底本

  • 魯山人の食卓
  • グルメ文庫、角川春樹事務所
  • 2004(平成16)年10月18日