ぞうに
雑煮

冒頭文

季節にちなんで、お雑煮の話をしたいと思う。 いったいお雑煮は、子供の時分から食べ慣れた故郷の地方色あるやり方が、いちばん趣味的で意義がある。 主婦の心がけ次第で、第一日は地方色豊かなお国風雑煮、二日目からは東京風の贅沢(ぜいたく)な、賑(にぎ)わいのある楽しいもの、というようにすれば、家族に喜ばれること請け合いだ。 かといって、強いてそうせねばならぬという理由はないの

文字遣い

新字新仮名

初出

「星岡」1934(昭和9)年

底本

  • 魯山人の美食手帖
  • グルメ文庫、角川春樹事務所
  • 2008(平成20)年4月18日