きょうとのごりのちゃづけ
京都のごりの茶漬け

冒頭文

京都のごりは加茂(かも)川に多くいたが、今はよほど上流にさかのぼらないといないようである。桂(かつら)川では今でもたくさん獲れる。ごりは浅瀬(あさせ)の美しい、水の流れる河原に棲息(せいそく)する身長一寸ばかりの小ざかなである。 ごりといっても分らない人は、はぜのような形のさかなと思えばいい。腹に鰭(ひれ)でできたような吸盤(きゅうばん)がついていて、早瀬(はやせ)に流されぬよう河底の石

文字遣い

新字新仮名

初出

「星岡」1932(昭和7)年

底本

  • 魯山人の食卓
  • グルメ文庫、角川春樹事務所
  • 2004(平成16)年10月18日