てながとあしなが つちぐもけんきゅう
手長と足長 土蜘蛛研究

冒頭文

三才図会に長脚(あしなが)国・長臂(てなが)国がある。「長脚国は赤水の東にあり、其の国人長臂国と近く、其の人常に長臂人を負ひて、海に入つて魚を捕ふ。長臂国は僬僥国の東にあり、其の国人海東にありて、人手を垂るれば地に至る」とある。全く空想の国には相違ないが、我が清涼殿の荒海の障子には、これを絵に書いてある事が枕草子にも見えて、人口に膾炙しているところである。信州諏訪には手長大明神・足長大明神の二社が

文字遣い

新字新仮名

初出

「民族と歴史 第一巻第四号」1919(大正8)年4月

底本

  • 先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選
  • 河出書房新社
  • 2008(平成20)年1月30日