つきものけいとうにかんするみんぞくてきけんきゅう そのいちれいとしてひだのごんぼだね
憑き物系統に関する民族的研究 その一例として飛騨の牛蒡種

冒頭文

一 序論——術道の世襲と憑き物系統 ここに憑き物系統とは、俗に狐持・犬神筋などと言われる所謂「物持筋」の事である。これがもし昔時の或る術を修得した暦博士や陰陽師の徒の、任意に識神(しきじん)を使役すると信ぜられたものの様に、その個人限りが有する一種の不可思議力であったならば、そこに系統も糸瓜(へちま)もあったものではない。この場合もしその術を何人にも伝える事なくして、その人が死んでしまっ

文字遣い

新字新仮名

初出

「民族と歴史 第八巻第一号」1922(大正11)年7月号

底本

  • 先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選
  • 河出書房新社
  • 2008(平成20)年1月30日