おううちほうのシシおどりとししくよう
奥羽地方のシシ踊りと鹿供養

冒頭文

一 緒言 奥羽地方には各地にシシ踊りと呼ばるる一種の民間舞踊がある。地方によって多少の相違はあるが、大体において獅子頭を頭につけた青年が、数人立ち交って古めかしい歌謡を歌いつつ、太鼓の音に和して勇壮なる舞踊を演ずるという点において一致している。したがって普通には獅子舞或いは越後獅子などの類で、獅子奮迅踴躍の状を表象したものとして解せられているが、奇態な事にはその旧仙台領地方に行わるるもの

文字遣い

新字新仮名

初出

「歴史地理 第五八巻第四号」1931(昭和6)年10月

底本

  • 先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選
  • 河出書房新社
  • 2008(平成20)年1月30日