「てつ」のじのこたいとこだいのぶんか
「鐵」の字の古体と古代の文化

冒頭文

「鐵」の字古く「銕」また「䥫(かなくそ)の出る遺蹟に続いている場所の少からぬによっても察せられる。 次に「䥫」の旁(つくり)の「截」は「切」だ。その金属で作った刃物の切れ味が、従来の青銅器の刃物よりも鋭利であることを意味する。シナでは鉄器時代の前に青銅器時代があった。秦のころまでの武器が青銅で作られていたことは、『史記』に始皇帝が天下の兵を鋳潰して、十二の金人を作ったとあるのによっても察せられる。

文字遣い

新字新仮名

初出

「民族と歴史 第一巻第三号」1919(大正8)年3月

底本

  • 喜田貞吉著作集 第一巻 石器時代と考古学
  • 平凡社
  • 1981(昭和56)年7月30日