「あばた」も「えくぼ」、「えくぼ」も「あばた」 ――にほんせっきじだいしゅうまつきもんだい――
「あばた」も「えくぼ」、「えくぼ」も「あばた」 ――日本石器時代終末期問題――

冒頭文

惚れた目から見れば痘痕も笑窪に見えるという諺があるが、反対に、いやと思う眼から観れば笑窪も時に痘痕に見えようというもの。余輩が昨年昭和一〇年 癌腫保持者たるの宣告を受けて、懇意な人の中には手術をすすめてくれる者もあったが、多数は反対の意見に傾いて、「何分お年がお年だから、それに心臓も丈夫でないようだから」などと、医者からまでも非観説を(ママ)聞かされてみると、自分もつい臆病になって来る。見舞客から

文字遣い

新字新仮名

初出

「ミネルヴァ 第一巻第五号」1936(昭和11)年6月

底本

  • 喜田貞吉著作集 第一巻 石器時代と考古学
  • 平凡社
  • 1981(昭和56)年7月30日