せいがくそくしんじつぎょうのせつ、がくせいしょしにつぐ
成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ

冒頭文

左の一篇は、去る一三日、東京芝区三田二丁目慶応義塾邸内演説館において、福沢先生が同塾学生に向て演説の筆記なり。 学問に志して業を卒(おわ)りたらば、その身そのまま即身(そくしん)実業の人たるべしとは、余が毎(つね)に諸氏に勧告するところにして、毎度の説法、聴くもわずらわしなど思う人もあるべけれども、余が身に経歴したる時勢の変遷を想回(おもいか)えして、近く第二世の事を案ずれば、他人のため

文字遣い

新字新仮名

初出

「時事新報」1886(明治19)年2月18日

底本

  • 福沢諭吉教育論集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1991(平成3)年3月18日