わがははをかたる
わが母を語る

冒頭文

竹を割ったような性格 私の母は、一口にいうと男勝りな、しっかり者でしたな。私は母の二十六歳の時生まれ、四つ年上の姉が一人だけありました。私の生まれたのは、明治八年四月二十三日、私の父が死んだのが同じ年の二月。つまり母は、主人を失ってから私を生んだわけです。父は四条御幸町に店を構え、茶舗を創めたばかりのところでした。そんな時に、父が亡くなったのですから、親類、母屋の人々は「二十六歳の若さで子供

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人朝日」1949(昭和24)年8月

底本

  • 青帛の仙女
  • 同朋舎出版
  • 1996(平成8)年4月5日