アジアしょこくとのわせんはわがえいじょくにかんするなきのせつ |
| 亜細亜諸国との和戦は我栄辱に関するなきの説 |
冒頭文
近日征韓の議論新聞紙上に飛雨をなし、世人の耳目も此論題に集るを以て、我儕の論鋒を之に向けること數囘、未だ心に慊らざりしが、福澤君より此論題に關する一議論を寄るに會へり。固より社論と方向を同ふするを以て、之を掲げて本日の社論とす。 世の中の事に就き輕重大小を見分るは甚だ難きことなり。譬へば爰に一個の人あり、手足に怪我をして流血淋漓たらんには、傍の人皆是を見て驚かざる者なし。醫者よ藥よとて其手當を
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「郵便報知新聞」報知社、1875(明治8)年10月7日
底本
- 福澤諭吉全集 第20卷
- 岩波書店
- 1963(昭和38)年6月5日