ゆらのすけのせいりつ
由良助の成立

冒頭文

大星由良助について、我々の持つてゐる知識に、ほんの少し訂正しなければならぬ点がないか知らん。まあ書いて見るが、書く程のことはないやうな気もする。一体、忠臣蔵系統の戯曲は、大体世界が三つ位におちつくやうである。曾我物語・太平記、それから言うてよければ、小栗判官の世界である。勿論「仮名手本忠臣蔵」自身、並びにその直系の親浄瑠璃と言ふべき、近松氏の「兼好法師物見車」、それから其補遺「碁盤太平記」は、皆そ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「演劇界 増刊 第九巻第十一号」1951(昭和26)年10月

底本

  • 折口信夫全集 22
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年12月10日