みくにざへ ――えどきょうげんのげんのすけくん――
御国座へ ――江戸狂言の源之助君――

冒頭文

芝居への注文が大分出る様ですから、私も尻馬に乗つて、御国座の事を申させて頂きます。あの芝居は何と言つても、源之助が持つて、死んで行く江戸の狂言の活きた記録を頭に印象させる為に行く見物が中心になつて居るので、新しい芸術を云々される先生方も忍んで見学に行つて居られます。所が若手の大頭の注文からあまり狂言を並べ過ぎるので、肝腎の源之助の出し物を昼は出さなかつたり、筋も何も訣らぬ程にはしよつてやつて仕舞ふ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「都新聞」1919(大正8)年2月27日

底本

  • 折口信夫全集 22
  • 中央公論社
  • 1996(平成8)年12月10日